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都市ガスの特徴・メリット・デメリットとは

私達が日常生活で使っているガスは
プロパンガス都市ガス2種類あります。

どちらも同じガスですが、この2種類のガスは
実は別物です!!

このページでは都市ガスの特徴・メリット・デメリットに
ついて説明します。

Contents

都市ガスとは

都市ガスとは、地下に張り巡らされたガス導管を通じて供給されるガスの事を言います。

一口に都市ガスと言っても原料や作り方によって、
実は7種類のガスに分けられます。

7種類の都市ガス
・13A
・12A
・L1
・L2
・L3
・6A
・5C

 

これだけガスの種類が多いと、どのガスコンロを使えば良いの!?
と疑問に思うかもしれませんが、心配いりません。

上記のうち日本では、13Aと12Aと呼ばれるガスが主流となっています。
そして最新機器のガスコンロは13A、12Aどちらのガスにも対応できる
ものになっています。

ただし、地域によっては、13A、12A以外のガスの場合もありますので、
都市ガスを利用する場合は、事前にガス会社にガスの種類について
確認しておきましょう。

都市ガスは、本来は無色・無臭のガスですが、
ガス漏れ時にすぐに気が付くよう「付臭剤」で匂いをつけています。
そのため、ガスの匂いと言うと、あの卵や玉ねぎが腐ったような不快な臭いがします。

メリット1:月々の料金が安い

都市ガスのメリットは、なんと言っても月々の料金が安いことです。
どれくらい安いのかと言いますと、プロパンガス(LPガス)の料金の半分~3分の2程度です

なぜ都市ガスは、プロパンガス(LPガス)と比べて
こんなにも安いのでしょうか?

その理由は、何と言っても都市ガスは公共料金だからです。

プロパンガス(LPガス)と違いガス会社が、
ガス料金を自由に設定することが
できなかったため、ガス代が急激に値上がりすることなく
低い金額で維持されてきました。

逆に言えば、プロパンガス(LPガス)の料金が高すぎたとも
言えます。

2017年のガス自由化により、今後の料金がどうなるかはわかりませんが、
それでも都市ガスの方が安いと思います。

なぜなら都市ガスは設備さえあれば、ガスの使用量だけ徴収すれば良いですが、
プロパンガス(LPガス)はガスボンベの交換などのメンテナンスに人件費がかかるからです。

プロパンガス(LPガス)会社が余程の企業努力をしない限り
今後も都市ガスの方が月々の料金は安いと思います。

メリット2:人体に無害

以前は都市ガスに一酸化炭素が含まれていたことがあり、人体に有害でした。

しかし、最近の都市ガスは一酸化炭素などの有害な成分が含まれていないため
そのままではガスを吸っても一酸化炭素中毒にはなりません。

ただし、換気不足などで不完全燃焼を起こすと人体に有害な
一酸化炭素を発生させてしまいます。

ガスの種類に合っていない間違ったガスコンロを使用すると
不完全燃焼の原因になります。

特に都市ガスは上記のとおり7種類もあるため、
ガスコンロ選びには気をつけましょう。

メリット3:環境にやさしい

都市ガスは液体化することで体積が気体の時の600分の1になるため、
輸送・貯蔵する際に液体化させるんですが、その過程で
塵の除去・硫黄酸化物の除去・脱水・脱湿などの処理をします。

そのため、都市ガスを燃やした場合には硫黄酸化物やばい塵が発生しません。

また、都市ガスは、地球温暖化の原因である二酸化炭素の排出量も少ないです。
↓のグラフを見てください。

炭素排出係数 指数
石炭(一般炭)  24.42 1.28
A重油 19.32 1.02
原油 19.03 1.00
ガソリン 18.77 0.99
灯油 18.71 0.98
LPガス 16.38 0.86
都市ガス 13.80 0.73

出典:総合エネルギー統計(2014年11月改定値)

都市ガスの燃焼時の二酸化炭素排出原単位は、原油を1とした場合、
指数換算で0.73となり、他のエネルギーと比べても、かなり少ないことがわかります。

燃焼時の二酸化炭素の発生量は少なくても総合的にはどうなの?
思う方もいると思うので各エネルギーの生産・輸送段階における排出量まで含め
たトータルの二酸化炭素排出量は、こちらです。

石炭 石油 LNG 都市ガス   LPガス
生産 2.16 1.31 9.44 9.08 3.58
輸送 2.48 1.18 2.37 2.28 2.32
二次生産 2.84 0.14 0.49 0.69
設備  0.11 0.08 0.12  0.50 0.09
小計  4.75 5.41 12.07  12.35 6.68
燃焼時 90.23 68.57 49.50 50.60 59.03
合計 94.98 73.98 61.57 62.95 65.71

合計の排出量を見ても、都市ガスの
二酸化炭素排出量は少ないため環境にやさしいクリーンなエネルギーと言えます。

メリット4:場所をとらない

プロパンガス(LPガス)を利用する場合、家庭ごとにガスボンベを
設置する必要があります。

ガスボンベは、そんなに場所をとるものではありませんが、
それでも敷地内にガスボンベの保管場所を用意しなくてはならないため、
スペースが圧迫されるのは事実です。

これに対し都市ガスは、地中に張り巡らされたガス管を通じてガスが供給されます。
プロパンガス(LPガス)のように、ガスボンベのための場所を確保する必要はありません。

デメリット1:契約できない地域がある

都市ガスは道路の下に設置されたガス導管を通じて、ガスを供給しています。
そのため、自宅付近にガス管が来ていないと使用できません。

このようにガスボンベを設置するだけで利用できるプロパンガス(LPガス)と違い、
都市ガスを利用するにはインフラが必要なため、残念ながら郊外、地方都市、離島、山間部など
では都市ガスを利用したくても利用することができません。

デメリット2:火力が弱い

都市ガスは発熱量が低い=火力が弱いです。

都市ガスの中で最も発熱量が高いA13でも
プロパンガス(LPガス)の発熱量の半分しかありません。

一応都市ガスのガスコンロのガス穴は、
プロパンガス(LPガス)のものより大きく、
ガスが多く出るようになっているため、
ある程度の火力は確保できますが、揚げ物など、
高火力が必要な調理には若干不向きです。

デメリット3:初期費用が高い

都市ガスの設置にかかる費用は一概にいくら!!とは
言えません。

ガス導管の本管が家の近くにあるのか、遠くにあるのかによって
金額が変わります。

ガス導管の本管が家の近くにある場合は、家に都市ガスを
引き込む工事だけで良いので、工事費用は比較的安めです。
安めと言っても10万円~15万円程かかります。

ガス導管の本管が家から離れたところにある場合は、引き込む工事に加えて、
ガス導管の本管を新設する工事費用も負担しなければいけません。

ガス導管の本管を新設することは、都市ガス会社にもメリットがある
(新規顧客獲得のチャンスが拡がる)ことから、都市ガス会社も
いくらか負担してくれます。

そのため、全額支払う必要はありませんが、それでも一部は
負担しなければいけないため、初期費用に数十万円かかる場合があります。

デメリット4:災害時の対応がプロパンガスに比べて若干遅い

大きな災害が発生した場合、二次災害を防ぐため
都市ガスはガスの供給を停止します。

各家庭においてもマイコンメーターを設置しており、
家屋内へのガスの供給も自動的に停止するようになっています。

そのため、緊急時の安全性においては、都市ガスは非常に優秀です。

しかし、復旧に関して言えばプロパンガス(LPガス)に比べてると
若干遅いです。

なぜならプロパンガス(LPガス)は、各家庭に置かれているガス機器を
個別に調査・点検するだけで復旧させることができるのに対して、
都市ガスは、全てのガス管をチェックしてからでないと復旧できないからです。

事実、東日本大震災の時は、プロパンガス(LPガス)は約3週間
復旧したのに対して、都市ガスは復旧に約5週間(プロパンガスに遅れること12日間)
もかかりました。

都市ガスの料金をさらに安くする方法

都市ガスは公共料金だし、既に安いから
これ以上安くならないと思っていませんか?

そんなことは、ありません!

2017年4月に都市ガスの自由化が開始されてから
東京ガス、東邦ガス、大阪ガス、西部ガスの四大事業者以外の
企業も都市ガス事業に新規参入できるようになりました。

そのため、都市ガス利用者でもガス会社を変更することで、
今よりも月々のガス代を安くすることができます!!

四大事業者の都市ガス利用中の方は、新規参入した都市ガス会社に
切り替えることで、さらに月々の料金を安くすることができるので、
検討してみることをオススメします。

まとめ

いかがだったでしょうか?

都市ガスは、利用できる地域が限定的なのと
初期費用の高さが最大のネックですが、それさえ
クリアできれば、料金は安く、環境にも優しい
非常に優れたエネルギーです。

都市ガスの対象地域にお住まいの方は導入を検討する
価値があると思います。

また、現在都市ガス利用中の方は、ガスの自由化により
企業間競争が生まれていますので、再度ガス会社をどこにするべきか
検討することをオススメします。

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