「LEDに替えると電気代は本当に安くなるのか」「蛍光灯が製造終了になると聞いたけれど、いつ替えればいいのか」照明は毎日使う家電のため、LEDと蛍光灯の違いは、電気代にじわじわと効いてきます。
本記事では、LEDと蛍光灯の消費電力・電気代の比較、初期費用まで含めたトータルコスト、2027年末に迫る蛍光灯の製造終了、失敗しない切り替え方を、わかりやすく解説します。
LEDと蛍光灯の電気代の違い|結論
同じ明るさを出す場合、LEDの消費電力は、蛍光灯の約2分の1、白熱電球の約10分の1とされています。LEDは、半導体に電流を流して直接光を出すため、熱に変わる無駄が少なく、消費電力の大部分を光に変換できます。
一方、蛍光灯は、放電で水銀蒸気を励起し、紫外線を可視光に変える工程を経るため、変換効率でLEDに劣ります。
消費電力が半分なら、電気代も約半分になります。ただし、LEDは初期費用が高いため、トータルコストで考えることが大切です。
電気代の計算方法
照明の電気代も、他の家電と同じ式で計算できます。
電気代(円)= 消費電力(W)÷1,000 × 使用時間(h)× 電気料金単価(円/kWh)
電気料金単価は、全国家庭電気製品公正取引協議会が示す目安の31円/kWhを使うのが一般的です。実際の単価は、契約している電力会社やプランによって変わるため、検針票やマイページで確認できます。確認方法は下記の記事で解説しています。
電球タイプ・シーリングライト別の電気代の比較
電球タイプの場合
一般的な電球タイプ蛍光灯(E26口金・60形)の消費電力は約11W、LED電球は6.5〜7W程度が目安です。1日10時間・30日使う場合(31円/kWhで試算)は、次のようになります。
| 種類 | 消費電力 | 1日あたり | 1か月あたり | 1年あたり |
|---|---|---|---|---|
| 電球型蛍光灯 | 約11W | 約3.4円 | 約102円 | 約1,228円 |
| LED電球 | 約7W | 約2.2円 | 約65円 | 約781円 |
1個あたりの差は年間で約450円です。1つひとつは小さな金額ですが、家中の照明の数が多いほど、差が積み重なります。
シーリングライトの場合(試算例)
リビングや寝室で使う蛍光灯のシーリングライトと、LEDのシーリングライトを比べてみます。ここでは、蛍光灯を約70W、LEDを約35W(消費電力が約半分)と仮定し、1日8時間・30日使う条件で試算します(31円/kWh)。
| 種類 | 消費電力(仮定) | 1か月あたり | 1年あたり |
|---|---|---|---|
| 蛍光灯シーリング | 約70W | 約521円 | 約6,250円 |
| LEDシーリング | 約35W | 約260円 | 約3,125円 |
この条件では、1台あたり年間約3,100円の差になります。実際の消費電力は、部屋の広さ(畳数)や製品によって異なるため、購入前に、製品の仕様や年間消費電力量を確認しましょう。
直管タイプ(40W形)の場合
事業所や、キッチン、洗面所などで使われる直管蛍光灯の例です。40W形の蛍光灯は、ランプに安定器のロスを含めると、実消費電力が約76Wになるとされます。
これを18WのLED直管に置き換えると、消費電力は最大で約76%削減されます。電気料金単価27円/kWh、1日10時間・年250日稼働の条件では、1本あたり年間約3,900円の削減効果になる試算があります。
使用時間が長いオフィスや店舗では、効果が大きくなります。家庭では稼働時間が短いため、これより小さくなります。
初期費用まで含めたトータルコスト
LEDの電気代は安くなりますが、LEDは本体価格が高く、初期費用がかかります。直管の場合、40形のLED管は1本あたり約1,500〜3,000円、蛍光灯は約300〜800円と、初期費用は2〜4倍になります。
そこで、寿命まで含めた比較が重要です。資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ2024年版」の検証では、蛍光灯シーリングライトとLEDシーリングライトで、使い始めは蛍光灯のほうがトータルコストが安いものの、約3年で逆転し、10年後にはLEDのほうが約18,177円お得になるとされています。
理由は、LEDのほうが寿命が長いためで、この検証では、蛍光灯は10年間で3回交換しているのに対し、LEDは一度も交換していません。
つまり、LEDの最大のメリットは、電気代だけでなく、長寿命で交換の手間と費用が減る点です。
蛍光灯の2027年問題|いつまで使える?
蛍光灯の切り替えを考えるうえで、知っておきたいのが「2027年問題」です。2023年11月の水銀に関する水俣条約第5回締約国会議で、水銀を含む一般照明用の蛍光灯の製造・輸出入を、2027年末までに禁止することが決まりました。
これに伴い、日本でも、一般照明用の蛍光灯の製造・輸入は2027年末までに終了する予定で、2026年以降、蛍光灯の種類によって段階的に規制が始まります。
ここで、よくある誤解を整理します。
- 禁止されるのは製造と輸出入:蛍光灯を使うことが禁止されるわけではありません。
- 既存の蛍光灯は使い続けられる:ただし、市場の在庫がなくなると、交換用の蛍光灯が手に入らなくなります。
- 価格の上昇や在庫不足のリスク:規制が近づくほど、蛍光灯の価格が上がったり、店頭在庫が減ったりする可能性があります。
すでに、製造を終了したメーカーや、在庫限りの製品も増えています。蛍光灯が切れたときに、あわてて選ばなくて済むように、早めにLEDへの切り替えを計画しておくと安心です。
LEDへの切り替え方と選び方のポイント
交換のタイミング
規制を待たずに、蛍光灯の寿命が来たタイミングや、使用時間の長い場所から、順次切り替えていくのがコストパフォーマンスのよい方法です。リビング、キッチン、廊下、洗面所など、よく使う場所から始めましょう。
器具ごと交換するか、LED管・LED電球だけ交換するか
- 器具ごと交換(LEDシーリングライトなど):調光・調色機能付きの製品が多く、部屋全体を均一に明るくしたいリビングや寝室に向いています。
- ランプだけ交換(LED蛍光灯・LED電球):既存の器具を活かして、初期費用を抑えたい場合や、キッチンや作業スペースに向いています。
直管のLED管に交換する場合は、器具の安定器との相性に注意が必要です。対応方式や、工事が必要かどうかを、製品の説明で確認しましょう。迷う場合は、器具ごと交換するのが最も安全です。
選ぶときのチェック項目
- 明るさ(ルーメン):ワット数ではなく、明るさを表すルーメンで選ぶ
- 光の色:電球色・昼白色・昼光色から、部屋の用途に合わせて選ぶ
- 口金やサイズ:電球の口金(E26、E17など)や、直管の長さを確認する
- 調光機能の有無:調光器と対応しているかを確認する
- 省エネ性能:年間消費電力量や、統一省エネラベルを確認する
古い蛍光灯の処分
蛍光灯には微量の水銀が含まれています。処分する際は、お住まいの自治体のルールに従いましょう。割れないように、購入時の箱や新聞紙で包んで出すのが一般的です。
照明以外の電気代も見直そう
照明は、家庭の消費電力のなかで上位に入りますが、電気代を大きく左右するのは、エアコンや冷蔵庫です。電気代が上がっている背景についてや家庭全体の節約方法は下記の記事をご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q. LEDにすると、電気代はどれくらい安くなりますか?
A. 同じ明るさなら、消費電力が約半分になるため、電気代も約半分が目安です。電球1個で年間約450円、シーリングライト1台で年間約3,000円程度の差になる試算例があります。
Q. LEDは初期費用が高いですが、元は取れますか?
A. 資源エネルギー庁の検証では、蛍光灯シーリングライトとLEDシーリングライトを比べた場合、約3年でトータルコストが逆転し、10年後にはLEDのほうが約18,177円お得になるとされています。
Q. 蛍光灯は、2027年以降は使えなくなりますか?
A. 使用が禁止されるわけではありません。禁止されるのは、製造と輸出入です。ただし、在庫がなくなると、交換用の蛍光灯が手に入らなくなります。
Q. 蛍光灯の器具に、LEDのランプだけ付けられますか?
A. 製品によって異なります。直管のLED管は、安定器との相性や、工事の要否を確認する必要があります。不安な場合は、器具ごとの交換をおすすめします。
Q. 使っていない部屋の照明も、LEDに替えるべきですか?
A. 使用時間が短い場所は、電気代の削減効果が小さくなります。まずは、使用時間の長い場所から替えましょう。
まとめ
LEDの消費電力は、蛍光灯の約2分の1が目安で、電気代も約半分になります。
初期費用はLEDのほうが高いものの、資源エネルギー庁の検証では、約3年でトータルコストが逆転し、10年後にはLEDのほうが約18,177円お得になるとされています。
加えて、蛍光灯は2027年末までに製造・輸出入が終了する予定で、今後は入手しにくくなったり、価格が上がったりする可能性があります。
使用時間の長い場所から、蛍光灯の寿命に合わせて、LEDへ順次切り替えていくのがおすすめです。
切り替えるときは、明るさ(ルーメン)、光の色、器具との対応を確認し、迷う場合は器具ごと交換すると安心です。
