「電気代が高くなる時間帯があると聞いたけれど、自分の家はいつが高いのか知りたい」「夕方に洗濯や料理をしているけれど、損していないか心配」電気代の高い時間帯は、実は契約しているプランによって決まります。
本記事では、電気代が高くなる時間帯の仕組み、主な電力会社のピーク料金と昼夜の単価差、高い時間帯の電気を使ったときの影響、損をしない使い方と契約の見直し方を、わかりやすく解説します。
結論|電気代が高い時間帯があるのは「時間帯別プラン」の場合
一般的な標準プラン(従量電灯Bなど)では、使用量が増えるほど単価が上がる段階制で、1日のうち何時に使っても1kWhあたりの単価は同じです。「夕方は高い」「昼は高い」といった時間による差はありません。
一方、「時間帯別電灯」「ピークシフト電灯」などの時間帯別プランでは、1日が「ピーク」「昼間」「夜間」といった時間帯に区切られ、時間ごとに単価が変わります。電気代が高い時間帯が存在するのは、こうしたプランに加入している場合です。まず自分の契約がどちらなのかを確認することが出発点になります。契約内容の確認方法は下記の記事で解説しています。
電気代が高くなる時間帯の目安
電力需要は1日のなかで山がある
電気の使用量は、1日を通して一定ではありません。電気事業連合会のデータをもとにした解説では、使用量は朝6時ごろから増え、10時ごろに最初のピークを迎え、夕方6時ごろから再び増加し、夜8時以降に減っていくとされています。深夜0時から朝6時ごろが、1日で最も使用量の少ない時間帯です。
電力会社は、需要が集中する時間帯の単価を高く、需要の少ない夜間の単価を安く設定することで、電気の使用を分散させようとしています。これが、時間帯別プランで「高い時間帯」ができる理由です。夜間が安くなる仕組みは下記の記事で詳しく解説しています。
時間帯区分の例
| 区分 | 時間帯の例 | 単価の傾向 |
|---|---|---|
| ピーク時間 | 夏季(7〜9月ごろ)の13時〜16時 | 最も高い |
| 昼間時間 | 7時〜23時、または8時〜22時(ピークを除く) | 高め |
| 夜間時間 | 22時または23時〜翌7時または8時 | 安い |
ピーク時間を設けているのは、一部のプランに限られます。ピークがないプランでは、昼間が「高い時間帯」、夜間が「安い時間帯」という2区分になります。
主なプランの昼間・ピーク・夜間の単価
各電力会社の公式ページや比較メディアに掲載されている単価を整理すると、次のようになります。
| 電力会社・プラン | ピーク | 昼間 | 夜間 |
|---|---|---|---|
| 東北電力 ピークシフト季節別時間帯別電灯(6kVA以下) | 夏季13〜16時 65.32円 | 7〜23時 30.60〜47.89円(使用量で3段階) | 23〜7時 28.93円 |
| 九州電力 ピークシフト電灯(2026年11月1日からの単価) | 夏季(7〜9月)13〜16時 約45.8円 | 8〜22時 約21.35〜32.16円(使用量で3段階) | 22〜8時 14.59円 |
| 中国電力 時間帯別電灯(2026年11月1日以降) | なし | 38.80〜45.44円(使用量で3段階) | 30.89円 |
| 東京電力エナジーパートナー 夜トク8 | なし | 7〜23時 42.60円 | 23〜7時 31.64円 |
| 中部電力ミライズ スマートライフプラン | なし | デイタイム 38.80円 | ナイトタイム 16.52円 |
※単価の単位は1kWhあたりです。公式ページや比較メディアの掲載値を整理したもので、税込・税抜の別や、燃料費調整額・再エネ賦課金の扱い、改定時期が異なります。参考値としてご覧ください。
ピーク時間のあるプランでは、夜間と比べた単価差が大きくなります。計算すると、東北電力のプランではピークが夜間の約2.3倍、九州電力のプランでは約3.1倍です。なお、中国電力や九州電力のページには、託送料金の変更に伴い、2026年11月1日からの単価が掲載されています。料金は改定されることがあるため、契約先の公式ページで最新の単価を確認しましょう。
高い時間帯に電気を使うと、いくら違う?
具体的な金額差を、2つの例で試算してみます。燃料費調整額や再エネ賦課金は含まない、電力量単価だけの比較です。
例1|ピーク時間にエアコンを使う場合
東北電力のプラン(ピーク65.32円、夜間28.93円)で、消費電力800Wのエアコンを3時間連続で運転したと仮定すると、使用量は約2.4kWhです。
- ピーク時間(13〜16時):65.32円 × 2.4kWh = 約157円
- 夜間:28.93円 × 2.4kWh = 約69円
同じ使用量でも、約87円の差が生まれます。猛暑日が続く月には、この差が積み重なります。
例2|2kWhを使う家電を昼と夜で動かす場合
中部電力のスマートライフプラン(昼夜の単価差22.28円)で、1回あたり2kWhを使う家電を考えます。
- 差額:22.28円 × 2kWh = 約45円/回
- 毎日使った場合:約45円 × 30日 = 約1,337円/月
1回あたりの差は小さくても、毎日続ければ月に1,000円を超える差になります。
見落としやすい4つの注意点
夕方〜夜の時間帯も「高い時間帯」に含まれる
夜間割引の開始は、多くのプランで22時または23時以降です。つまり、夕食づくり、入浴、テレビ、洗濯など、家庭の電気使用が集中する17時から22時ごろは、昼間の高い単価が適用されます。「夜だから安い」と思い込んで使っていると、割高な時間帯に使っていることがあります。
昼間単価が標準プランより高いことがある
時間帯別プランは、夜間が安い代わりに、昼間の単価が高く設定されています。たとえば東京電力の夜トク8の昼間単価42.60円は、標準プランのスタンダードSで最も高い第3段階の単価(40.49円)より高い水準です。標準プランの段階制の仕組みは下記の記事で解説しています。
日中の使用量が多い家庭では、時間帯別プランに切り替えると、かえって割高になる場合があります。
季節によってピークが変わるプランがある
ピーク時間を「夏季の13〜16時」に限定しているプランでは、冬は適用されません。契約しているプランの区分が、通年なのか、季節限定なのかを確認しましょう。季節ごとの電気代の傾向は下記の記事で解説しています。
市場連動型プランは30分ごとに単価が変わる
卸電力取引所の価格に連動する市場連動型プランでは、単価が30分ごとに変動します。一般に、太陽光発電の出力が減る夕方以降は需給が厳しくなりやすく、価格が上がる傾向があるとされています。ただし、価格は天候や燃料価格などで大きく動くため、契約先のマイページやアプリで、実際の単価の動きを確認するのが確実です。
高い時間帯を避けるための使い方
時間をずらせる家電
タイマーや予約機能を使い、夜間や安い時間帯に動かすことで、負担を減らせます。
- 洗濯機・衣類乾燥機:予約運転で夜間に稼働させる
- 食洗機:就寝前にセットする
- 炊飯器・IHクッキングヒーター:予約機能を活用する
- スマートフォンやパソコンの充電:就寝中に行う
- 電気自動車(EV)の充電:夜間の安い時間帯に設定する
時間をずらせない家電
冷蔵庫や照明は、時間をずらせません。エアコンも、暑さ・寒さに応じて使う必要があります。特に夏のピーク時間(13〜16時)は、猛暑のピークと重なりやすい時間帯です。電気代を気にして冷房を我慢すると、熱中症のリスクが高まります。高齢者や乳幼児、ペットのいる家庭は、健康と安全を最優先にしてください。
そのうえで、遮光カーテンで日射を遮る、フィルターを掃除する、サーキュレーターを併用するなど、使用量そのものを減らす工夫を組み合わせましょう。エアコンの設定温度の考え方や1時間あたりの電気代は下記の記事を参考にしてください。
太陽光発電・蓄電池でピークをずらす
昼間に太陽光で発電した電気を優先して使い、余った分を蓄電池にためて夕方以降に使う方法があります。夜間の安い電気を蓄電池にため、昼間の高い時間帯に使う「ピークシフト」という使い方もあります。
ただし、節約額は「昼と夜の単価差 × 蓄電池が1日に放電できる実効容量 − 充放電時の変換ロス」でほぼ決まります。昼間の買電を十分に減らせないまま時間帯別プランに切り替えると、差し引きで損をする場合もあります。導入を検討する場合は、業者による見積もり額の差が大きいため、複数社を比較することが大切です。比較のコツは下記の記事で解説しています。
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自分の家は「高い時間帯」に使いすぎていないか確認する方法
- 契約プランを確認する:検針票やマイページで、契約種別(従量電灯B、時間帯別電灯など)を確認します。
- 時間帯別の使用量を確認する:スマートメーターが入っていれば、電力会社のマイページやアプリで、30分ごとの使用量を見られます。
- 昼間と夜間の割合を把握する:どの時間帯に使用量が集中しているかを確認します。
- プラン変更のシミュレーションをする:多くの電力会社が、使用量を入力して料金を比べられるシミュレーションを用意しています。基本料金も含めたトータルで比べましょう。基本料金の仕組みは下記の記事で解説しています。
日中在宅が多い家庭や、夕方に使用が集中する家庭は、時間帯別プランが向かない場合があります。時間帯を意識して使うのが難しいなら、標準プランのまま、使用量そのものを減らす対策に集中するのも一つの選択です。具体的な節約方法や、料金が上がっている背景は下記の記事で解説しています。
よくある質問(FAQ)
Q. 電気代が一番高い時間帯は何時ですか?
A. プランによって異なります。ピーク時間のあるプランでは、夏季の13〜16時が最も高い設定が代表例です。ピークのないプランでは、昼間(7〜23時や8〜22時)が高い時間帯になります。
Q. 標準プラン(従量電灯B)でも、夕方は電気代が高くなりますか?
A. いいえ。標準プランは時間帯による単価の違いがありません。使用量が増えて段階が上がると単価が上がりますが、それは時間ではなく、月の使用量で決まります。
Q. 時間帯別プランに変えれば、必ず安くなりますか?
A. 必ずしも安くなるとは限りません。昼間単価が標準プランより高いため、日中の使用量が多い家庭では、割高になる場合があります。時間帯別の使用量を確認し、シミュレーションで比べてから判断しましょう。
Q. 夏のピーク時間(13〜16時)はエアコンを止めたほうがいいですか?
A. 猛暑日は止めないでください。熱中症のリスクがあるため、健康を優先します。遮光や断熱、サーキュレーターの併用などで、使用量を抑える工夫をしましょう。
Q. プランの単価は、いつ変わりますか?
A. 燃料費調整額は毎月変動し、託送料金の変更などで電気料金が見直されることもあります。2026年11月1日から改定された単価を掲載している電力会社もあります。契約先の公式ページで、最新の単価を確認してください。
まとめ
電気代の高い時間帯があるのは、時間帯別プランやピークシフト電灯に加入している場合に限られ、標準プランでは時間による単価の違いはありません。
ピーク時間は夏季の13〜16時を設定するプランが代表的で、東北電力や九州電力のプランでは、夜間の約2.3倍〜3.1倍の単価になります。また、夜間割引が始まる前の夕方から夜にかけての時間帯も、昼間の高い単価が適用されるため注意が必要です。
洗濯や食洗機、EVの充電といった家電は、予約機能を使って夜間にずらせます。一方で、猛暑のなかのエアコンは健康を優先し、無理に我慢しないことが大切です。まず契約プランと時間帯別の使用量を確認し、自分の生活に合っているかを見極めましょう。
