「梅雨の部屋干しは、いつまで経っても乾かない」「除湿機とエアコンの除湿は、どちらを使えばいいの?」「除湿機を買おうと思っているけれど、方式がいろいろあって選べない」洗濯物を部屋干しするとき、いちばんの敵は「湿気」です。湿度が高いと、洗濯物から水分が蒸発しにくくなり、乾くまでに時間がかかり、生乾き臭の原因になります。
洗濯物の乾きを大きく左右するのは湿度であり、除湿は、部屋干しを成功させる最大のカギといえます。ただし、除湿機、エアコン、サーキュレーター、換気など、除湿の方法は複数あり、季節や環境によって最適な使い方が異なります。
この記事では、洗濯物に除湿が必要な理由、除湿の方法とその使い分け、除湿機の3つの方式(コンプレッサー式・デシカント式・ハイブリッド式)の違いと選び方、効果的な使い方、電気代の目安、季節別のコツまで、わかりやすく解説します。
洗濯物に除湿が必要な理由
湿度が高いと、洗濯物は乾きにくい
洗濯物が乾くのは、衣類に含まれた水分が、空気中に蒸発して移動するためです。湿度が高いと、空気中にすでに水分が多く含まれているため、洗濯物から水分が蒸発しにくくなります。目安として、湿度が50%以下なら乾きやすく、60%を超えると乾きにくくなり、70%以上になると生乾き臭の原因にもなるとされています。湿度と乾き方の関係は、下記の記事で詳しく解説しています。
部屋干しは、干している間に湿度が上がる
部屋干しは、洗濯物の水分が部屋の空気に移ることで乾くため、干している間に、部屋の湿度が上がります。もともと湿度が高い部屋では、さらに湿度が上がり、乾きにくくなる悪循環に陥ります。だからこそ、除湿で湿度を下げることが重要です。
5時間以内に乾かすのが、生乾き臭対策の目安
生乾き臭は、洗濯物が湿った状態で5時間以上続くと、発生しやすいといわれています。除湿によって、早く乾かすことが、そのまま、においの予防につながります。生乾き臭の仕組みは下記の記事で解説しています。
洗濯物の除湿方法の種類と使い分け
洗濯物の除湿には、次のような方法があります。
| 方法 | 特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 除湿機(衣類乾燥除湿機) | 部屋の湿気をしっかり取り除く。送風機能付きなら、洗濯物に風も当てられる | 梅雨・冬など、湿度が高い時期。洗濯物が多いとき |
| エアコンの除湿(ドライ)・冷房 | すでにある設備で、手軽に湿度を下げられる | 家にエアコンがある、手軽に始めたいとき |
| 浴室乾燥機 | 浴室を密閉して、一気に乾燥させる | 浴室乾燥機が設置されている家庭 |
| サーキュレーター・扇風機 | 湿度は下げないが、空気を動かして乾燥を促進する | 除湿と併用して、乾燥効率を上げたいとき |
| 換気(窓・換気扇) | 外の湿度が低いときに有効 | 外の湿度が低い日 |
換気は、外の湿度を見て判断する
窓を開けて換気すれば湿気が逃げる、と思いがちですが、外の湿度が高い日には、湿った空気を室内に取り込むことになり、かえって乾きにくくなります。外の湿度が70%以上の日は、換気よりも除湿機などを使うのがおすすめです。
除湿機の3つの方式と選び方
除湿機は、大きく分けて、3つの方式があります。部屋の気温によって、得意な方式が変わります。
方式別の特徴
| 項目 | コンプレッサー式 | デシカント式 | ハイブリッド式 |
|---|---|---|---|
| 仕組み | 空気を冷やして結露させ、水分を取る(エアコンの除湿と同じ) | ゼオライトに水分を吸着させ、ヒーターで放出する | 2つの方式を、室温に合わせて自動で切り替える |
| 得意な季節 | 夏・梅雨 | 冬 | 通年 |
| 電気代 | 安い | 高い(コンプレッサー式の約2〜3倍) | 中間 |
| 室温への影響 | ほぼ上がらない | 上がる(3〜8℃程度) | 季節で変わる |
| 運転音 | やや大きい | 静か | 機種による |
| 本体の重さ | 重め | 軽い | 重め |
| 価格の目安 | 2〜5万円 | 1〜3万円 | 4〜8万円 |
コンプレッサー式
空気を冷却して水分を結露させる方式で、気温が高いほど効率よく除湿でき、消費電力が少ないのが特徴です。室温が25℃以上のときに除湿効果が高く、ヒーターを使わないので室温上昇が少なく、梅雨から夏の部屋干しに向いています。一方、低温の環境では除湿能力が下がるため、冬は不向きな場合があります。
デシカント式(ゼオライト式)
ゼオライトという乾燥剤で、空気中の水分を吸着する方式です。低温時でも除湿力が変わらないため、冬の部屋干しや結露対策に強く、本体が軽くて、運転音も静かなのがメリットです。デメリットは、ヒーターを使うため電気代が高く、室温が上がることです。夏場は、室温上昇が不快に感じることがあります。
ハイブリッド式
コンプレッサー式とデシカント式の両方の機能を持ち、周囲の環境に合わせて自動で切り替えます。一年中安定した除湿力を発揮し、衣類乾燥のスピードが速いのが魅力ですが、本体が大きく、価格が高いのがデメリットです。
どの方式を選ぶ?
- 梅雨・夏の部屋干しがメイン:コンプレッサー式
- 冬の部屋干し・結露対策がメイン:デシカント式
- 一年中、これ1台で済ませたい:ハイブリッド式
衣類乾燥除湿機を選ぶときのチェックポイント
| チェック項目 | 確認すること |
|---|---|
| 除湿方式 | 使う季節に合っているか |
| 除湿能力・適用畳数 | 干す部屋の広さに合っているか(メーカー表示を確認) |
| 送風機能・サーキュレーター機能 | 風向きを調整でき、洗濯物に風を当てられるか |
| タンク容量 | 洗濯物が多い家庭では、大きめだと排水の手間が減る |
| 連続排水機能 | ホースをつないで、連続運転できるか |
| 運転音 | 夜間に使うなら、静音性も重要 |
| 本体の重さ・サイズ | 移動や収納のしやすさ |
| 電気代 | 方式による差が大きい |
梅雨の部屋干しがメインなら、サーキュレーター機能(首振りなどの送風機能)が一体になった衣類乾燥除湿機が便利です。除湿と送風を、1台でまかなえます。
除湿機を効果的に使うコツ
1. 洗濯物の近くに置く
除湿機は、洗濯物の近くに置き、洗濯物に向けて風が当たるようにしましょう。送風機能付きの除湿機なら、風が当たっている部分から乾き始め、2〜3時間もすれば全体的に乾くとされています。
2. 部屋を閉め切って運転する
除湿機を使うときは、窓やドアを閉めて、部屋を閉め切って運転するのが効率的です。換気をすると、外の湿った空気が入り、除湿効率が下がる場合があります。
3. 干す前に、部屋の湿度を下げておく
洗濯物を干す前から、除湿機を運転して、部屋の湿度を下げておくと、乾燥がより早まります。
4. 洗濯物同士の間隔を空ける
洗濯物が密着していると、風が通らず、除湿の効果が出にくくなります。こぶし1個分以上の間隔を空け、アーチ干しなどで風通しを確保しましょう。干し方は下記の記事も参考にしてください。
5. サーキュレーターを併用する
除湿機の風が届きにくい場所には、サーキュレーターや扇風機で風を当てます。洗濯物の下から風を当てると、水蒸気が下に溜まりやすい性質を利用して、効率的に乾かせます。当て方のコツは下記の記事で解説しています。
6. 脱水をしっかり行う
干す前の水分量が少ないほど、除湿の負担も減り、乾燥時間が短くなります。詳しくは下記の記事も参考にしてください。
7. 運転終了は、湿度と洗濯物の乾き具合で判断する
運転は、洗濯物が乾いて、部屋の湿度が下がったところで終了します。乾いたあとも運転を続けると、電気代がかさむため、タイマー機能や、湿度センサー付きのモデルを活用すると便利です。
8. タンクの排水とフィルター掃除を忘れずに
タンクがいっぱいになると運転が止まるため、こまめに排水しましょう。フィルターのホコリも、定期的に掃除すると、除湿効率が保たれます。
除湿機とエアコンの除湿、どちらを使う?
電気代と手軽さ
電気代だけで比べれば、エアコンの除湿のほうが有利なことが多いとされています。ただし、除湿機は、脱衣所やクローゼットなど、エアコンのない場所に持ち込めるのが利点です。実際には、使い分けが現実的です。
エアコンの除湿・冷房の使い分け
エアコンは、梅雨・春・秋は除湿、夏は冷房、冬は暖房が、基本とされています。詳しい設定温度やモードの選び方は下記の記事で解説しています。
併用すると、さらに効果的
湿度が高い梅雨や、洗濯物が多い日は、エアコンと除湿機を併用すると効果的です。エアコンで部屋全体の湿度を下げ、除湿機を洗濯物の近くで運転する、といった使い方も有効です。
除湿機の電気代の目安
除湿機の電気代は、方式によって大きく異なります。次は、目安です(機種や使用状況によって変わります)。
| 方式 | 消費電力の目安 | 1時間あたりの電気代の目安 |
|---|---|---|
| コンプレッサー式 | 約160〜200W前後 | 約4〜12円 |
| デシカント式 | 約300〜600W前後 | 約9〜16円 |
| ハイブリッド式 | 機種・モードによる | 約8〜21円 |
デシカント式は、ヒーターを使うため、コンプレッサー式の約2〜3倍の電気代がかかることがあります。毎日長時間使う場合は、月々の電気代に大きな差が出るため、使う季節と時間を考えて、方式を選ぶのが大切です。
電気代を抑えるコツ
- 洗濯物を脱水してから干す
- 洗濯物の量を適量にする(詰め込みすぎない)
- 干す部屋を絞り、小さめの部屋で運転する
- 乾いたら、すぐに運転を止める
- サーキュレーターと併用して、運転時間を短縮する
- 季節に合った方式・モードを選ぶ
洗濯物の乾く時間の目安は下記の記事も参考にしてください。
季節別・洗濯物の除湿のコツ
| 季節 | 除湿のポイント |
|---|---|
| 梅雨 | 外の湿度も高いため、換気よりも除湿を優先。除湿機+サーキュレーター、エアコン除湿を併用 |
| 夏 | コンプレッサー式が効率的。エアコンの冷房や除湿も有効。窓を開けると湿った空気が入るため、湿度に注意 |
| 秋 | 湿度が低い日は、送風だけでも乾く。除湿は、湿度が高い日に使う |
| 冬 | 室温が低いと、コンプレッサー式は効きにくい。デシカント式やハイブリッド式、暖房との併用が効果的。窓を閉め切ると湿気がこもるため、結露にも注意 |
除湿のときにやってはいけないNG例
- 洗濯物を詰め込みすぎて干す:湿気が逃げず、除湿が追いつかない
- 窓を開けたまま、除湿機を運転する:外の湿気が入り、効率が落ちる
- 除湿機のタンクをそのままにする:満水で運転が止まる
- フィルターを掃除しない:除湿効率が下がる
- 加湿器を同時に使う:室内の水分が増え、除湿の効果が打ち消される
- 除湿機の吸い込み口・吹き出し口を洗濯物でふさぐ:運転効率が落ち、故障の原因にもなる
- 乾いたあとも運転を続ける:電気代の無駄になる
よくある質問(FAQ)
Q1. 洗濯物を乾かすには、除湿機とエアコンのどちらがいいですか?
A. 電気代の面ではエアコンの除湿が有利なことが多いですが、除湿機はエアコンのない場所にも持ち込めます。湿度が高い梅雨や、洗濯物が多い日は、両方を併用すると効果的です。
Q2. 除湿機は、コンプレッサー式とデシカント式のどちらを選べばいいですか?
A. 梅雨・夏の部屋干しがメインならコンプレッサー式、冬の部屋干しや結露対策がメインならデシカント式が向いています。一年中使うなら、ハイブリッド式という選択肢もあります。
Q3. 除湿機は、洗濯物のどこに置けばいいですか?
A. 洗濯物の近くに置き、洗濯物に向けて風が当たるようにすると効果的です。部屋は閉め切って運転しましょう。
Q4. 湿度は、何%を目指せばいいですか?
A. 湿度50%以下を目安にすると、乾きやすく、生乾き臭のリスクも減らせます。50〜60%以下でも、かなり乾きやすくなります。
Q5. 除湿機の電気代が心配です。節約する方法はありますか?
A. 洗濯物を脱水してから干す、洗濯物の量を適量にする、乾いたらすぐに運転を止める、サーキュレーターと併用する、季節に合った方式・モードを選ぶといった方法で、電気代を抑えられます。
まとめ
洗濯物の乾きやすさは、湿度に大きく左右されます。湿度が50%以下なら乾きやすく、60%を超えると乾きにくくなり、70%以上では生乾き臭の原因にもなるため、部屋干しでは、除湿が成功のカギです。
除湿の方法には、除湿機(衣類乾燥除湿機)、エアコンの除湿・冷房、浴室乾燥機、サーキュレーターの併用、換気などがあり、外の湿度が高い日は、換気よりも除湿を優先しましょう。
除湿機は、コンプレッサー式(夏・梅雨向き、電気代が安い)、デシカント式(冬向き、電気代が高い)、ハイブリッド式(通年、高価)の3方式があり、使う季節に合わせて選ぶのがポイントです。
効果的に使うには、洗濯物の近くに置く、部屋を閉め切る、干す前に湿度を下げておく、洗濯物同士の間隔を空ける、サーキュレーターを併用する、脱水をしっかり行う、乾いたら運転を止める、タンクの排水とフィルター掃除をこまめに行う、といった工夫が役立ちます。
除湿機とエアコンは、使い分けや併用をして、電気代を抑えながら、生乾き臭のない、快適な部屋干しを実現しましょう。
