「ゲーミングPCは電気代が高いと聞くけれど、実際いくらかかるのか」「毎日長時間遊ぶと請求額はどれくらい増えるのか」ゲーミングPCを購入する前や、使い始めてから電気代が気になった方に向けて、本記事では消費電力から電気代を計算する方法、構成別・使用時間別の目安、電気代が高くなる原因、無理なく抑える設定と使い方を、わかりやすく解説します。
ゲーミングPCの電気代は1時間いくら?
ゲーミングPCの電気代は、消費電力(W)と使用時間、電気料金の単価で決まります。全国家庭電気製品公正取引協議会が示す目安単価の31円/kWhで計算すると、次のような水準です。
- 平均的な構成(消費電力約280〜300W):1時間あたり約9円
- エントリーモデル(約500W):1時間あたり約15.5円
- ハイエンドモデル(約1,000W):1時間あたり約31円
ゲーミングPCの平均的な消費電力は、CPUとグラフィックボード(GPU)の性能によって決まり、一般に280W程度から850W以上まで幅があります。エントリー向けは約300〜500W、ミドルレンジは約600〜800W、ハイエンドでは1,000Wを超えるものもあります。ただし、これらは最大に近い数値で、実際の使用中は常にその電力を使うわけではありません。
電気代の計算方法
電気代は、次の式で計算できます。
電気代(円)= 消費電力(W)÷1,000 × 使用時間(h)× 電気料金単価(円/kWh)
たとえば、平均500Wで動作するPCを1日5時間、30日使う場合は、次のようになります。
500W ÷ 1,000 = 0.5kW → 0.5kW × 150時間 = 75kWh → 75kWh × 31円 = 約2,325円
電気料金の単価は、契約している電力会社やプラン、燃料費調整額、再エネ賦課金によって変わります。正確な単価は、検針票やマイページで確認できます。確認方法は下記の記事で解説しています。
構成別・使用時間別の電気代の目安
平均消費電力別に、1日3時間・5時間使った場合の1か月(30日)の電気代を計算すると、次のとおりです(31円/kWhで試算)。
| 平均消費電力 | 1時間あたり | 1日3時間×30日 | 1日5時間×30日 |
|---|---|---|---|
| 300W | 約9.3円 | 約837円 | 約1,395円 |
| 500W | 約15.5円 | 約1,395円 | 約2,325円 |
| 700W | 約21.7円 | 約1,953円 | 約3,255円 |
| 1,000W | 約31円 | 約2,790円 | 約4,650円 |
電源ユニットの容量が700Wでも、常に700Wを使うわけではありません。電気代は、電源容量ではなく、実際の消費電力で考えるのがポイントです。ゲームの種類や設定によって、消費電力は大きく変わるため、上の表は目安として使ってください。
たとえば、最大1,200Wのハイエンドゲーミングパソコンを、常に最大で1日5時間、30日使うと、電気代は約5,580円です。実際には、600W程度で動作するケースも多く、その場合は約2,790円となります。
一般的なPCやほかの家電との比較
ゲーミングPCの電気代は、一般的なPCの約2倍程度になるともいわれています。GPUの消費電力が大きいためです。ゲーミングPCの電気代を、ほかの家電と比べてみましょう。
| 家電 | 1時間あたりの電気代の目安 |
|---|---|
| テレビ(液晶55V型) | 約7円 |
| ゲーミングPC(300〜500W) | 約9〜16円 |
| エアコン(6畳用) | 約12〜20円 |
| ゲーミングPC(1,000W) | 約31円 |
ゲーミングPCは、エアコン1台分に近い電気代になる場合もあります。テレビやエアコンの電気代は下記の記事で、より詳しい目安を解説しています。
ゲーミングPCの電気代が高くなる主な原因
GPU(グラフィックボード)の消費電力
ゲーミングPCで最も電力を使うパーツがGPUです。エントリークラスは100W前後ですが、ハイエンドモデルでは300Wを超えるものもあります。高画質・高フレームレートで遊ぶほど、GPUの負荷が上がり、消費電力が増えます。
CPUの性能
CPUも、グレードによって消費電力が変わります。高性能なCPUを、高い負荷で使い続けると、電気代が上がります。
電源ユニットの変換効率
電源ユニットは、コンセントの交流を、PC内部で使う直流に変換します。変換効率が低いと、余分な電力が熱になって失われます。「80PLUS」認証の電源ユニットは、変換効率が高く、無駄な消費を抑えられます。
使用時間が長い
1日の使用時間が長いほど、電気代は比例して増えます。ゲームを起動したまま離席したり、PCをつけっぱなしにしたりすると、実際に遊んでいない時間の電気代も発生します。
周辺機器(モニター・ルーターなど)
モニターが2枚以上ある場合や、周辺機器が多い場合は、本体以外の電力も増えます。電気代を見積もるときは、本体だけでなく、モニターなども含めて考えましょう。
夏場の冷房費への影響
ゲーミングPCは熱を出すため、夏は部屋の温度が上がり、エアコンの電気代にも影響します。夏の電気代の傾向、冷房の電気代は下記の記事で解説しています。
ゲーミングPCの電気代を抑える方法
性能を大きく落とさなくても、使っていない時間の電力を減らすだけで、無理なく節約できます。
使わないときはシャットダウン・スリープを活用する
Windowsの「電源オプション」で、省電力モードやスリープを設定すると、待機時や軽作業時の消費電力を抑えられます。自動スリープやモニターの電源オフが働かないと、夜間も電力を使い続けます。
ゲームを起動したまま放置しない
ゲームを起動したまま離席すると、GPUやCPUに負荷が残る場合があります。休憩時は、ゲームを終了するか、メニュー画面で放置しないようにしましょう。
バックグラウンドの処理を減らす
不要なアプリや、バックグラウンドで動くプロセスを減らすと、無駄な消費を抑えられます。
GPUの使用率やフレームレートを調整する
GPUの使用率を制限するツールや、ゲーム内のフレームレート上限を設定すると、消費電力を抑えられます。高画質にこだわりすぎず、快適に遊べる設定に調整すると、節電と両立できます。
高効率な電源ユニットを選ぶ
PCを購入・交換するときは、80PLUS認証(Gold以上)の電源ユニットを選ぶと、電力の無駄を減らせます。
発熱対策をする
PC内部の冷却が不十分だと、ファンが高回転になり、電力を余分に使います。ホコリの掃除や、通気のよい設置場所を心がけましょう。
電気料金プランや契約を見直す
PCの節電だけでなく、電気料金プランや契約アンペアの見直しも有効です。基本料金の仕組みや、家庭全体の節約方法は下記の記事で解説しています。
ゲーミングPCを使うときの契約アンペアの注意
ゲーミングPC(500W前後)、モニター、エアコン、電子レンジなどを同時に使うと、消費電力の合計が契約アンペアを超え、ブレーカーが落ちる場合があります。消費電力(W)を100Vで割ると、必要なアンペア数の目安がわかります。
たとえば、消費電力500WのPCは約5Aです。契約アンペアを下げる場合は、同時に使う家電の合計を確認しておきましょう。
実際の消費電力を測る方法
電気代をより正確に知りたい場合は、次の方法があります。
- ワットチェッカー(電力計)を使う:コンセントとPCの間に挟み、消費電力や積算電力量を計測します。
- スマートプラグを使う:電力量を計測できる機種があります。
- PC本体のモニタリングソフトを使う:CPUやGPUの消費電力を確認できるソフトがあります。ただし、PC全体の電力とは異なる場合があります。
ワットチェッカーで、ゲーム中とアイドル時の消費電力を測り、使用時間をかければ、自分の環境に合った電気代がわかります。
よくある質問(FAQ)
Q. ゲーミングPCを1日中つけっぱなしにすると、電気代はいくらですか?
A. 消費電力によって異なります。平均300Wなら1日24時間で約223円、1か月で約6,700円です。ただし、待機中は消費電力が下がる場合が多く、ゲーム中の高負荷が続いた場合の目安と考えてください。
Q. ゲーミングPCの電気代は、一般的なPCの何倍ですか?
A. 約2倍程度といわれています。GPUの消費電力が大きいためです。使い方や構成によって差は変わります。
Q. ゲーミングノートPCは、デスクトップより電気代が安いですか?
A. 一般に、ゲーミングノートPCのほうが消費電力が低い傾向があり、電気代も抑えられます。ただし、性能やメンテナンス性には違いがあります。
Q. 電源ユニットの容量が大きいと、電気代も高くなりますか?
A. 電源容量が大きいだけでは、電気代は上がりません。電気代は、実際に使った電力量で決まります。ただし、容量に対して負荷が極端に低いと、変換効率が下がる場合があります。
Q. ゲーミングPCを使い始めて、電気代はどれくらい上がりますか?
A. 平均300〜500Wで1日3〜5時間使うなら、月800円〜2,300円程度の増加が目安です。高性能な構成や、長時間の使用では、月3,000円を超える場合もあります。
まとめ
ゲーミングPCの電気代は、平均的な構成(約300W)で1時間あたり約9円、エントリーモデル(約500W)で約15.5円、ハイエンドモデル(約1,000W)で約31円が目安です。
1日3〜5時間・30日使うと、300〜500Wなら月837円〜2,325円ほどですが、高性能構成や長時間の使用では月3,000円台になることもあります。
電気代は、電源容量ではなく、実際の消費電力と使用時間で決まるため、スリープの設定、放置の防止、GPUの使用率調整、高効率な電源ユニットの選択といった工夫で、性能を落とさずに抑えられます。
また、夏は冷房費への影響や、同時に使う家電による契約アンペアの上限にも注意しましょう。まずは、ワットチェッカーなどで実際の消費電力を測り、自分の環境に合った電気代を把握することから始めてください。
