「毎月の電気代が高いけれど、どの家電が原因なのかわからない」「節約したいけれど、何から手をつければいいのか知りたい」電気代を効率よく下げるには、まず電気代が高い家電を知り、効果の大きいものから見直すことが近道です。
本記事では、資源エネルギー庁の公表データをもとに、夏・冬の電気代が高い家電ランキング、家電ごとの年間電気代の目安、「消費電力が大きい家電」と「電気代が高い家電」の違い、見直しの優先順位を、わかりやすく解説します。
結論|電気代が高い家電の上位は「エアコン・冷蔵庫・照明・給湯」
家庭の電力消費で大きな割合を占めるのは、エアコン、冷蔵庫、照明、そして冬は給湯です。ある解説では、夏のエアコン、冷蔵庫、照明の3つだけで、家庭の電力消費の約6割を占めています。そのため、これらを優先して見直すことが、最も効率のよい節電につながります。
ドライヤーや電子レンジのように、消費電力が大きく見える家電は、使う時間が短いため、実は電気代への影響は大きくありません。電気代は「消費電力×使用時間」で決まるため、長時間動き続ける家電ほど、電気代が高くなりやすいのです。
電気代が高い家電ランキング(夏・冬)
資源エネルギー庁が示す、家庭の1日の電力消費割合をもとにしたランキングは、次のとおりです。
夏の電気代が高い家電ランキング
| 順位 | 家電・用途 | 電力消費割合の目安 |
|---|---|---|
| 1位 | エアコン | 34.2% |
| 2位 | 冷蔵庫 | 17.8% |
| 3位 | 照明 | 9.6% |
| 4位 | 炊事 | 6.5% |
| 5位 | 給湯 | 6.1% |
| 6位 | 待機電力 | 6.0% |
| 7位 | テレビ・DVD | 4.6% |
| 8位 | 洗濯機・乾燥機 | 2.3% |
| 9位 | パソコン・ルーター | 1.0% |
| 10位 | 温水便座 | 0.5% |
冬の電気代が高い家電ランキング
| 順位 | 家電・用途 | 電力消費割合の目安 |
|---|---|---|
| 1位 | エアコン(暖房) | 32.7% |
| 2位 | 冷蔵庫 | 14.9% |
| 3位 | 給湯 | 12.5% |
| 4位 | 照明 | 9.3% |
| 5位 | 炊事 | 7.9% |
| 6位 | 待機電力 | 5.5% |
| 7位 | テレビ・DVD | 4.2% |
夏・冬ともに、エアコンが1位です。冬は、お湯を沸かす給湯の割合が夏の約2倍に増え、3位に入ります。
ランキングの数字が記事によって違う理由
ランキングを調べると、数字が資料によって異なることに気づくかもしれません。たとえば、夏の夕方19時ごろの使用割合では、エアコン38.3%、照明14.9%、冷蔵庫12.0%という数字が示されています。これは、集計の条件が「1日の合計」か「夕方の特定の時間帯」かで変わるためです。
また、年間ベースで見ると、エアコン14.7%、冷蔵庫14.3%、照明13.5%、テレビ9.4%と、上位の差が小さくなります。エアコンは冷暖房の季節にしか使わないのに対し、冷蔵庫や照明は1年中使うためです。年間のデータは、家電の省エネ化が進む前のものを含むため、現在の割合とは異なる可能性があります。自分の家庭に当てはめるときは、「季節」と「集計条件」を意識して、目安として使いましょう。
「電気代が高い」の正体は消費電力×使用時間
電気代は、次の式で決まります。
電気代(円)= 消費電力(W)÷1,000 × 使用時間(h)× 電力量単価(円/kWh)
つまり、消費電力が大きくても、使う時間が短ければ電気代は小さく、消費電力が小さくても、24時間動き続けていれば電気代は大きくなります。計算の詳しい手順は下記の記事で解説しています。
瞬間的に電力を多く使う家電
資源エネルギー庁のデータをもとにした解説では、家電が使う電流(アンペア数)の目安は、次のとおりです。
| 家電 | 電流の目安 |
|---|---|
| エコキュート | 16A |
| 炊飯器 | 14A |
| IHクッキングヒーター | 14A |
| 食器洗い乾燥機 | 13A |
| ドラム式洗濯乾燥機(乾燥時) | 13A |
| エアコン(暖房の通常時) | 7A |
| エアコン(冷房の通常時) | 6A |
| 冷蔵庫(400L) | 4A |
| テレビ | 3A |
| 洗濯機 | 3A |
この表の電流が大きい家電を同時に使うと、ブレーカーが落ちやすくなります。契約アンペアとの関係は下記の記事で解説しています。
ただし、電流が大きい家電が、必ずしも電気代が高い家電とは限りません。冷蔵庫は電流が4Aと小さい一方で、24時間365日動き続けるため、電気代では常に上位に入ります。
具体例で比べてみる
消費電力1,300Wの電子レンジを、1日10分使うと、1か月の電気代は約200円です(31円/kWhで試算)。一方、冷蔵庫の年間電気代は約8,000円〜10,000円で、月に直すと約700円〜850円です。消費電力は電子レンジのほうが大きくても、電気代は冷蔵庫のほうが数倍高くなります。
電気代が高い家電の特徴と見直しポイント
1位:エアコン
夏の電力消費の約34%、冬は約33%を占めます。年間の電気代は、6畳用から14畳用で、約1.8万円〜3.7万円が目安です。暖房は冷房よりも電気代が高くなりやすく、6畳用の1日あたり電気代で比べると、冷房が約47円、暖房が約92円と、ほぼ2倍の水準です。
見直しポイントは、次のとおりです。
- 設定温度:外気温度31℃で冷房を27℃から28℃に1℃上げると、消費電力量が約13%減り、年間約940円の節約になります。暖房は、外気温度6℃で21℃から20℃に1℃下げると、約10%減り、年間約1,650円の節約です。
- フィルター清掃:年間約990円の節約効果があるとされます。
- つけっぱなしとこまめなオンオフの使い分け:数十分〜1時間程度の外出なら、つけっぱなしのほうが有利な場合があります。
詳しくは下記の各記事で解説しています。
2位:冷蔵庫
24時間365日動き続けるため、夏は約18%、冬は約15%を占めます。年間の電気代は、容量や年式によって差がありますが、約8,000円〜10,000円が目安です。
- 詰め込みすぎない:冷蔵室を半分に減らすと、年間約43.84kWhの省エネになります。冷凍室は逆に、隙間なく詰めたほうが節電になります。
- 設定温度を見直す:「強」から「中」に変えると、年間約61.7kWhの削減が見込めます。
- 買い替えの効果:2016年製から2022年製のモデルで、年間約53kWh(約1,590円)の差が出た例があります。
詳しくは下記の記事をご覧ください。
3位:照明
夏は約10%、冬は約9%を占めます。白熱電球や蛍光灯をLEDに替えると、同じ明るさで消費電力が約半分になります。試算では、電球1個あたり年間約450円、シーリングライト1台あたり年間約3,100円の差になります。蛍光灯は2027年末までに製造・輸出入が終了する予定のため、切り替えの機会でもあります。詳しくは下記の記事で解説しています。
4位:給湯(エコキュート・電気温水器)
冬は約12.5%を占め、夏の約2倍に増えます。オール電化の住宅では、特に電気代への影響が大きい項目です。夜間の安い時間帯に沸き上げる設定にし、時間帯別プランを活用すると、負担を抑えられます。仕組みは下記の記事で解説しています。
5位:炊事(IH・炊飯器・食器洗い乾燥機・電子レンジ)
夏は約6.5%、冬は約8%を占めます。食器洗い乾燥機の年間電気代は、約14,600円程度が目安です。炊飯器の保温は、4時間程度までが合理的とされ、それ以上は電子レンジで温め直すほうが電気代を抑えられる場合があります。電子レンジの電気代は下記の記事で解説しています。
6位:待機電力
夏は約6%、冬は約5.5%を占めます。家庭の年間消費電力量のうち、約300kWh(約6%)が待機電力とされます。テレビやパソコン、プリンターの待機電力対策で、家庭全体の0.5〜0.8%程度の節電効果が見込めます。使わない家電のコンセントを抜く、主電源を切るといった対策が有効です。
7位以降:テレビ・洗濯乾燥機・パソコン
テレビは年間約6,448円、洗濯乾燥機は使い方によって年間約6,570円〜24,820円と、差が大きい家電です。乾燥機能を毎日使うかどうかで、電気代が大きく変わります。テレビやパソコンについては下記の記事で、1時間あたりの電気代や節約方法を解説しています。
家電ごとの年間電気代の目安
| 家電 | 年間電気代の目安 |
|---|---|
| エアコン(6〜14畳) | 約1.8万円〜3.7万円 |
| 冷蔵庫 | 約8,000円〜10,000円 |
| 食器洗い乾燥機 | 約14,600円 |
| 洗濯乾燥機 | 約6,570円〜24,820円 |
| テレビ | 約6,448円 |
※電気料金単価や使用条件、機種によって異なります。あくまで目安としてご覧ください。
電気代が高い家電を見直す優先順位
効果の大きい順に、次のように取り組むと効率的です。
- 費用をかけずにできる対策:エアコンのフィルター清掃と設定温度の見直し、冷蔵庫の詰め込みすぎの解消、待機電力の削減
- 使う時間帯の工夫:時間帯別プランに加入している場合は、洗濯機や食洗機を予約運転で夜間にずらす
- 古い家電の買い替え:10年以上使っているエアコンや冷蔵庫、蛍光灯の照明は、買い替えの効果が出やすい。エアコンは、2013年モデルから2023年モデルで年間約4,000円の節約が見込めます
- 契約プランの見直し:契約アンペアや料金プランを、生活に合ったものに変える
具体的な節約方法と効果額の目安は、下記の記事で解説しています。
また、使っている家電を見直しても電気代が高い場合は、燃料費調整額や再エネ賦課金など、制度面の要因も考えられます。下記の記事もあわせてご覧ください。
家電の電気代を実際に測る方法
ランキングは平均的な目安です。自分の家庭で、どの家電がどれだけ電気を使っているかを知るには、次の方法があります。
- ワットチェッカー(電力計)を使う:コンセントと家電の間に挟み、消費電力や積算電力量を計測します。
- スマートメーターのデータを確認する:マイページやアプリで、30分ごとの使用量を確認し、使用量が増える時間帯から、原因の家電を推測できます。
- 検針票で前年同月と比べる:使用量の変化から、家電の使い方や買い替えの影響を把握できます。
確認方法は下記の記事で解説しています。
よくある質問(FAQ)
Q. 電気代が一番高い家電は何ですか?
A. 夏・冬ともに、エアコンが1位です。ただし、年間で見ると、冷蔵庫や照明との差は小さくなります。
Q. 24時間つけっぱなしの家電で、電気代が高いのは?
A. 冷蔵庫です。電流は小さいものの、24時間365日動き続けるため、年間の電気代は約8,000円〜10,000円になります。
Q. ドライヤーや電子レンジは、電気代が高いですか?
A. 消費電力は大きいものの、使用時間が短いため、電気代への影響は小さめです。1,300Wの電子レンジを1日10分使うと、月約200円(31円/kWh)が目安です。
Q. 古い家電は、買い替えたほうが電気代は安くなりますか?
A. 使用年数が10年以上の冷蔵庫やエアコンは、省エネ性能の向上により、年間で数千円の差が出る場合があります。ただし、買い替え費用との兼ね合いで判断しましょう。
Q. 電気代が高い原因の家電を調べる方法はありますか?
A. ワットチェッカーで家電ごとの消費電力を測る方法や、マイページで時間帯別の使用量を確認する方法があります。
まとめ
電気代が高い家電は、夏・冬ともにエアコンが1位で、冷蔵庫、照明、冬は給湯が続きます。電気代は「消費電力×使用時間」で決まるため、ドライヤーや電子レンジのように消費電力が大きくても、使用時間が短い家電の影響は小さく、冷蔵庫や照明のように長時間動き続ける家電の影響は大きくなります。
見直しの優先順位は、エアコンのフィルター清掃や設定温度、冷蔵庫の詰め込みすぎの解消、待機電力の削減など、費用をかけずにできる対策から始め、次に使う時間帯の工夫、古い家電の買い替え、契約プランの見直しの順に進めるのが効率的です。
まずは自宅の電気の使い方を確認し、効果の大きい家電から順に取り組みましょう。
