「一戸建てに住み始めたら、前のアパートより電気代が高くなった」「一軒家の電気代は、平均でどれくらいが普通なのか」戸建て住宅は、マンションやアパートと比べて、構造的に電気代が高くなりやすい傾向があります。
本記事では、一軒家の電気代の平均を、集合住宅との比較・世帯人数別・季節別・オール電化の有無で整理し、高くなる原因と見直しのポイントを、わかりやすく解説します。
一軒家の電気代の平均は月8,500円〜13,000円程度
一軒家の電気代の平均は、情報源や調査時期によって幅がありますが、月8,500円〜13,000円程度が目安とされています。ある調査では、一軒家の平均電気使用量が350.2kWh、電気代が8,546円、別の調査では約13,000円程度という結果もあり、燃料費や再エネ賦課金の上昇を背景に、近年は平均額が上昇傾向にあります。
数字に幅があるのは、調査の時期や対象、世帯人数、オール電化の有無などの条件が異なるためです。自分の電気代が高いかどうかを判断する際は、単一の平均値だけでなく、次に紹介する条件別の目安と比べることが大切です。
一軒家と集合住宅の電気代の違い
一軒家は、マンションやアパートなどの集合住宅と比べて、電気代が高くなる傾向があります。ある調査では、次のような差が確認されています。
| 住宅タイプ | 平均使用量 | 平均電気代 |
|---|---|---|
| 一軒家(戸建て) | 約350.2kWh/月 | 約8,546円/月 |
| 集合住宅 | 約246.6kWh/月 | 約6,477円/月 |
一軒家は集合住宅より、使用量で約1.4倍、電気代で約2,000円(約1.3倍)高くなっています。この差は、世帯人数が増えるほど広がる傾向があり、4人以上の世帯では、戸建てと集合住宅の差額が月3,000円を超えるという試算もあります。
一軒家の電気代が高くなる主な原因
居住面積が広い
戸建ては、マンションの一室と比べて床面積が広く、部屋数も多い傾向があります。冷暖房をかける範囲が広がるほど、エアコンの消費電力も増えます。同じエアコンを使っても、100平方メートルの戸建てと60平方メートルのマンションでは、戸建てのほうが電気代が高くなりやすいとされています。
断熱性・気密性が低くなりやすい
マンションは、上下左右を他の住戸に囲まれているため、外気に接する面積が少なく、気密性・断熱性が高くなる傾向があります。一方、戸建ては、天井・床・壁のすべてが外気に接するため、同じ設定温度でも冷暖房の効率が落ちやすく、消費電力が増えやすい構造です。
契約アンペア数が大きくなりやすい
戸建ては、部屋数が多く、同時に使う家電の数も増えるため、集合住宅より大きめの契約アンペア数を選ぶ家庭が多くなります。契約アンペア数が大きいほど、基本料金も高くなります。基本料金の仕組みは下記の記事で解説しています。
世帯人数が多い家庭が多い
戸建てに住む世帯は、ファミリー層が多く、世帯人数そのものが集合住宅より多い傾向があります。世帯人数別の電気代の目安は、次の記事で解説しています。
世帯人数別|一軒家の電気代の目安
一軒家に住む世帯人数別の電気代の目安は、次のとおりです(調査により数値に幅があります)。
| 世帯人数 | 戸建ての電気代(月額目安) | 集合住宅との差額目安 |
|---|---|---|
| 1人 | 約6,800円〜8,000円 | 約1,300円〜1,500円 |
| 2人 | 約10,000円〜12,000円 | 約2,000円 |
| 3人 | 約11,600円〜14,500円 | 約2,500円 |
| 4人以上 | 約11,900円〜16,800円 | 約3,000円〜3,200円 |
世帯人数が増えるほど、戸建てと集合住宅の差額が大きくなる傾向があります。これは、部屋数の多さを生かして、家族それぞれが個室で冷暖房や照明を使うようになるためと考えられます。
季節別|一軒家の電気代の傾向
一軒家は、断熱性の低さの影響を受けやすいため、季節による電気代の変動も、集合住宅より大きくなる傾向があります。ある調査では、冬(1月)の電気代が、戸建てで平均21,341円、集合住宅で13,268円と、約8,000円もの差が生じていました。
これは、外気温と室温の差が大きい冬に、戸建ての断熱性の低さが特に響きやすいためです。夏も同様の傾向があり、1人世帯で比較すると、8月の電気代が戸建てで約8,197円、集合住宅で約5,850円という調査結果もあります。
季節ごとのエアコンの電気代は、下記の記事で詳しく解説しています。
オール電化の一軒家の電気代
一軒家では、給湯や調理も電気でまかなう「オール電化住宅」を選ぶ家庭も多くあります。オール電化の場合、電気代は次のような目安になります。
| 世帯人数 | オール電化の電気代(月額目安) |
|---|---|
| 1人 | 約9,000円〜10,800円 |
| 2人 | 約13,800円 |
| 3人 | 約15,500円 |
| 4人以上 | 約16,500円〜20,000円 |
オール電化は、ガスを使わない分、電気の使用量が増えるため、電気代だけを見ると高く感じられます。ただし、ガス代がかからないため、光熱費全体(電気+ガス)で比較すると、一般住宅よりも経済的になるケースがあるとされています。電気代だけで判断せず、光熱費の合計で比べることが大切です。
オール電化の電気代が高くなりやすい要因
- エコキュートやIHクッキングヒーターの使い方が最適でない:夜間にお湯を沸かす設定になっていないなど
- 暖房・給湯によるエネルギー消費が大きい:給湯・調理・暖房のすべてを電気でまかなうため
- 住宅の省エネ性能が低い:断熱性・気密性が低いと、冷暖房効率が落ちる
- オール電化向けでない料金プランに加入している:夜間の単価が安くなる専用プランを使っていない
- 深夜電力を活用できていない:安い夜間の時間帯に、家電の使用を集中させられていない
オール電化向けの時間帯別プランの仕組みは、下記の記事で解説しています。
一軒家の電気代を抑える方法
契約アンペア・料金プランを見直す
戸建てでは、必要以上に大きなアンペア数で契約していないか確認しましょう。契約アンペアの目安や見直しによる節約額は、下記の記事で解説しています。
断熱・気密対策をする
窓からの熱の出入りは、住宅全体の熱損失のうち大きな割合を占めるとされています。断熱カーテンや窓用の断熱シート、隙間テープなどで、比較的低コストに対策できます。
エアコンの使い方を見直す
設定温度の調整や、フィルターの清掃、つけっぱなしとこまめなオンオフの使い分けなど、使い方の工夫で消費電力を抑えられます。詳しくは下記の記事で解説しています。
太陽光発電の活用を検討する
戸建ては、マンションと違って自由に屋根に太陽光パネルを設置できる点が特徴です。
戸建ては屋根の形状や方角によって発電量が変わるため、太陽光発電の見積もりは、業者による提案内容の差が特に出やすい設備です。
設置を検討する際は、1社だけでなく複数社から見積もりを取り、システム容量や保証内容まで比較することをおすすめします。詳しい比較のコツは下記の記事をご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 一軒家の電気代が2万円を超えるのは高いですか?
A. 世帯人数やオール電化の有無によります。1人〜2人世帯なら高めですが、4人以上のオール電化住宅や、冬場の寒冷地では、平均でも2万円前後になることがあります。
Q. 戸建てとマンション、どちらが電気代は安いですか?
A. 一般的には、断熱性・気密性の高さから、マンションのほうが電気代は安くなる傾向があります。ただし、住宅の性能や設備によって個別の差はあります。
Q. 新築の戸建てなら、電気代は安くなりますか?
A. 近年の新築住宅は、断熱性能の基準が強化されているため、古い戸建てより冷暖房効率が良く、電気代を抑えやすい傾向があります。
Q. オール電化にすると、光熱費全体は安くなりますか?
A. 電気代だけを見ると高く感じられますが、ガス代がかからないため、光熱費全体では一般住宅よりお得になるケースがあるとされています。
Q. 一軒家の電気代を今すぐ下げる方法はありますか?
A. フィルター清掃や設定温度の調整など、費用をかけずにできる対策から始めるのがおすすめです。具体的な方法は下記の記事で解説しています。
まとめ
一軒家の電気代の平均は、月8,500円〜13,000円程度が目安で、集合住宅より約2,000円〜3,200円高くなる傾向があります。
居住面積の広さ、断熱性・気密性の低さ、契約アンペア数の大きさ、世帯人数の多さが、主な原因です。冬は特に差が大きくなり、集合住宅との差額が月8,000円に達する調査結果もあります。
オール電化の場合は電気代そのものは高くなりますが、光熱費全体で見るとお得になることもあります。契約プランの見直し、断熱対策、エアコンの使い方の工夫を組み合わせ、無理なく電気代を抑えていきましょう。
