「2人暮らしを始めたら電気代が思ったより高かった」「同棲や結婚の生活費を見積もりたい」2人暮らしの電気代は、一人暮らしの単純な2倍にはならないものの、家電の数や在宅時間が増えて確実に上がります。
本記事では、総務省統計局「家計調査」のデータをもとに、2人暮らしの電気代の平均を、一人暮らしとの比較・季節別・使用量別に整理します。あわせて、平均より高くなる原因と見直しのポイントも解説します。
2人暮らしの電気代の平均は月12,144円
総務省統計局「家計調査(家計収支編)」の2025年(令和7年)平均によると、2人世帯の電気代は1か月あたり12,144円です。年間では145,728円、1日あたりでは約404円にあたります。消費支出に占める電気代の割合は約4.3%で、毎月の生活費のなかでは見直しの効果が出やすい項目です。
使用量の目安は月300〜350kWh程度とされています。電力量単価を全国家庭電気製品公正取引協議会が示す目安の31円/kWhとして計算すると、300kWhで電力量料金は約9,300円、350kWhで約10,850円です。ここに基本料金や再エネ賦課金などが加わり、平均額の水準になります。
一人暮らし・3人以上との比較
世帯人数別の電気代を比べると、人数が増えても電気代は比例して増えないことがわかります。
| 世帯人数 | 1か月あたりの電気代(2025年平均) | 前の人数との差 |
|---|---|---|
| 1人(単身) | 7,337円 | ― |
| 2人 | 12,144円 | +4,807円 |
| 3人 | 13,915円 | +約1,800円 |
| 4人 | 13,928円 | ほぼ横ばい |
| 5人 | 15,665円 | +約1,700円 |
| 6人以上 | 17,322円 | +約1,700円 |
一人暮らしから2人暮らしになると、電気代は約4,800円増えます。増加額が最も大きいのは1人から2人になるタイミングで、その後は緩やかです。
これは、冷蔵庫やリビングの照明、テレビ、エアコンなどを共用できる一方、2人分の洗濯や調理、在宅時間の増加といった変化が最初に効いてくるためです。
季節別・月別の電気代の傾向
電気代は季節で大きく変わります。冬は暖房需要と照明時間の増加で使用量が年間のピークを迎え、冬と夏の差は月2,900円ほどにのぼります。
ただし、家計調査は支払い月をもとに集計しているため、実際に電気を使った月より1〜2か月遅れて数字に表れます。真冬(1〜3月ごろ)の暖房代は春に請求されるため、表の上では春が最も高くなり、夏は冷暖房の少ない時期の分が反映されて最も低くなります。秋は真夏の冷房代を遅れて支払うため、夏より高くなります。
自分の請求額を平均と比べるときは、次の点に注意すると判断を誤りません。
- 検針票の使用月と請求月がずれる:使った月ではなく、請求された月の金額で比較する
- 冬の請求額は年間平均より高くなる:1〜3月の使用分は平均の1.2〜1.3倍を目安にする
- 夏の請求額は低めに出やすい:冷房が増える真夏の分は、秋の請求に上乗せされる
2人暮らしの電気代が高くなる主な原因
同時に使う家電が増える
照明、テレビ、パソコン、ドライヤーなど、2人分の家電が同時に動く時間が増えます。片方が在宅勤務の場合は、日中の使用量も増えます。
生活リズムのズレ
帰宅時間や就寝時間が違うと、別々の部屋で照明やエアコンを使う時間が長くなります。1台のエアコンで過ごせる時間帯を揃えると、消費電力を抑えやすくなります。
エアコンの使い方
家庭の消費電力のなかでエアコンが占める割合は大きく、使い方の差が請求額に直結します。1時間あたりの電気代、設定温度の影響、つけっぱなしとこまめに消すの違いは下記のページで詳しく解説しています。
洗濯・調理の頻度が増える
洗濯乾燥機や電子レンジ、IHクッキングヒーターなどの使用回数が増えます。電子レンジの電気代は1回あたり1円未満〜数円と小さいものの、毎日の積み重ねで差が出ます。詳しくは下記の記事で解説しています。
契約アンペア・プランが実態に合っていない
一人暮らしのときの契約のまま引っ越すと、アンペアが小さすぎてブレーカーが落ちたり、大きすぎて基本料金が割高になったりします。また、2人暮らしになると使用量が増えるため、従量電灯のままが最適とは限りません。
待機電力・古い家電
それぞれが持ち込んだ古い冷蔵庫やテレビなどが重なると、消費電力が増えます。冷蔵庫の使い方、テレビの電気代については下記の記事も参考になります。
制度面で上がっている部分も理解しておく
電気代が下がりにくい背景には、個人の努力では変えられない要因もあります。再エネ賦課金は2026年度に1kWhあたり4.18円となり、月300kWh使う2人世帯では約1,250円の負担になる計算です。燃料費調整額も国際市況や為替の影響を受けます。仕組みや補助金については下記の記事で詳しく解説しています。
電気代が平均より高いときの確認ポイント
- 使用量(kWh)を確認する:月300〜350kWhを大きく超えているか、単価が高いのかを切り分けます。
- 同じ季節の請求額と比べる:冬に高くなるのは自然なため、前年同月と比較すると変化がつかめます。
- 住まいの条件を考慮する:戸建ては集合住宅より高くなる傾向があり、オール電化やガス併用の有無でも数字が変わります。
- 世帯の特徴を考慮する:家計調査の2人世帯には高齢の夫婦世帯も含まれ、在宅時間が長いぶん平均を押し上げている可能性があります。共働きの若い世帯は、平均よりやや低めになることもあります。
- 契約内容を見直す:アンペア数と料金プランを確認します。
具体的な節約方法と効果額の目安は下記の記事で解説しています。
よくある質問(FAQ)
Q. 同棲を始めると電気代はいくらくらい増えますか?
A. 一人暮らしの平均7,337円と2人世帯の平均12,144円の差は約4,800円です。ただし、賃貸で暮らす若い世帯は平均より低めになる傾向があるため、月1万円前後を目安に見積もると余裕を持てます。
Q. 2人暮らしの電気代が1万5,000円を超えるのは高いですか?
A. 平均の12,144円を約3,000円上回ります。冬の暖房シーズンや在宅勤務が多い月は超えることもありますが、年間を通じて超えている場合は、使用量や契約内容の確認をおすすめします。
Q. 電気代を2人で折半するときの目安はありますか?
A. 平均で月12,144円ですので、1人あたり約6,000円が目安です。使用時間や在宅時間に差がある場合は、按分の割合を話し合っておくとトラブルを避けられます。
Q. 電気代の平均は今後も上がりますか?
A. 再エネ賦課金は毎年度見直され、燃料費調整額も国際市況に左右されます。今後も変動する可能性があるため、年に一度は検針票とプランを確認する習慣をつけると安心です。
まとめ
2人暮らしの電気代の平均は、総務省「家計調査」2025年平均で月12,144円、使用量は月300〜350kWhが目安です。
一人暮らしの7,337円から約4,800円増えますが、人数が増えても比例しないため、単純に2倍にはなりません。冬は年間で最も高く、支払い月のズレにも注意が必要です。
平均を上回る場合は、同時に使う家電、生活リズム、エアコンの使い方、契約アンペアやプラン、古い家電といった原因を順に確認しましょう。制度面で避けられない部分と、使い方や契約の見直しで改善できる部分を切り分けて対策することが、無理なく電気代を抑える近道です。
