「電気代の基本料金って、何のためにかかるの?」「使っていなくても払うのはなぜ?」毎月の請求書に必ず載っている基本料金は、電気を使った量に関係なく発生するため、意外と見落とされがちな項目です。
本記事では、電気代の基本料金の仕組みから、契約アンペア別の料金の目安、自分に合ったアンペア数の選び方、見直しで節約できる金額までを、初心者向けにわかりやすく解説します。
電気代の基本料金とは
基本料金とは、電気の使用量に関係なく、契約している容量に応じて毎月固定でかかる料金のことです。電気を送るための設備の維持や、いつでも契約した容量まで使える状態を保つための費用がもとになっています。そのため、旅行などで電気をほとんど使わない月でも、基本料金は請求されます。
電気料金は、一般的に次の項目の合計で構成されます。
電気代 = 基本料金 + 電力量料金 + 燃料費調整額 + 再エネ賦課金
このうち、電力量料金は「使った量」で決まる料金、燃料費調整額と再エネ賦課金は国際市況や制度で決まる料金です。基本料金は、契約内容を変えない限り毎月同じ金額のため、見直しの効果が確実に出やすい項目といえます。他の項目の仕組みは下記の記事で解説しています。
基本料金の決まり方|契約アンペア(契約容量)がカギ
基本料金は、契約アンペア数(契約容量)によって決まります。アンペア(A)は、同時に使える電気の最大量を表す単位で、契約アンペア数が大きいほど、多くの家電を同時に使えますが、基本料金も高くなります。
アンペア制の例(東京電力の従量電灯B)
東京電力エナジーパートナー、東北電力、九州電力などの従量電灯Bは、10A〜60A(東京電力・東北電力は10〜60A、九州電力は10〜50Aなど、電力会社によって選べる範囲が異なります)から契約電流を選ぶアンペア制です。東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bの基本料金は、2026年5月時点で次のとおりです(税込、第三者サイトによる整理のため、最新の金額は公式サイトで確認してください)。
| 契約アンペア | 基本料金(月額) |
|---|---|
| 10A | 311.75円 |
| 15A | 467.63円 |
| 20A | 623.50円 |
| 30A | 935.25円 |
| 40A | 1,247円 |
| 50A | 1,558.75円 |
| 60A | 1,870.50円 |
10Aあたり約311.75円の差があり、アンペア数が大きくなるほど、基本料金が比例して上がる仕組みです。
電力会社・プランによって仕組みが異なる
基本料金の考え方は、地域や電力会社、プランによって違います。
- アンペア制:契約電流(A)で基本料金が決まる。東京電力、東北電力、九州電力などの従量電灯B
- 契約容量(kVA)制:関西電力や中国電力の従量電灯Bは、契約容量が6kVA以上で原則50kVA未満の、電気を多く使う家庭や店舗向け
- 最低料金制:使用量の少ない家庭向けに、一定の使用量までを最低料金とするプラン。九州電力の従量電灯Bには、使用量が0kWhの場合に基本料金が半額になる仕組みもあります
- 基本料金0円のプラン:新電力を中心に、基本料金を設けず、電力量料金だけで請求するプランもあります
同じ電力会社でも、複数のプランが用意されているため、自宅の契約種別(従量電灯B、スタンダードSなど)は検針票やマイページで確認しましょう。確認方法は「電気代 確認」の記事で解説しています。
基本料金と電力量料金の関係
電気代を考えるときは、基本料金だけでなく、電力量料金とセットで比べることが大切です。
たとえば、東京電力の従量電灯Bの電力量料金は、使用量に応じた3段階制です(2026年5月時点、税込)。
| 使用量 | 電力量単価 |
|---|---|
| 〜120kWh | 29.80円/kWh |
| 120〜300kWh | 36.40円/kWh |
| 300kWh超 | 40.49円/kWh |
電気をたくさん使うほど、1kWhあたりの単価が高くなる仕組みです。基本料金が0円のプランは、電力量単価が高めに設定されていることがあり、使用量が多い家庭では、かえって割高になる場合もあります。基本料金の安さだけで判断せず、自宅の使用量と合わせて、トータルの請求額で比べましょう。
自分に合った契約アンペア数の目安
契約アンペア数は、同時に使う家電の合計に合わせて選びます。一般的な目安は次のとおりです。
| 世帯 | 契約アンペアの目安 |
|---|---|
| 一人暮らし | 20A〜30A |
| 2人暮らし | 30A〜40A |
| 3人〜4人家族 | 40A〜50A |
| 5人以上の世帯 | 50A〜60A |
この目安は使用量や家電の種類によって変わります。オール電化住宅や、エアコンを複数台同時に使う家庭は、大きめのアンペアが必要になる場合があります。世帯別の電気代の平均は、次の記事で解説しています。
家電の消費電力からアンペア数を計算する
家電の消費電力(W)を電圧(100V)で割ると、必要なアンペア数の目安がわかります。
必要なアンペア数(A)= 消費電力(W)÷ 100V
| 家電の例 | 消費電力の目安 | 必要なアンペア数の目安 |
|---|---|---|
| エアコン(10畳用) | 約700〜800W | 約7〜8A |
| 電子レンジ | 約1,300〜1,400W | 約13〜14A |
| 電気ケトル | 約1,300W | 約13A |
| テレビ | 約200W | 約2A |
たとえば、エアコン(8A)、電子レンジ(14A)、電気ケトル(13A)を同時に使うと、合計で約35Aです。このようなケースで契約が30Aだと、ブレーカーが落ちる可能性があります。同時に使う家電の合計と、生活パターンから、必要なアンペア数を見積もりましょう。家電の電気代は、下記の記事も参考になります。
契約アンペア数を見直して節約する方法
現在の契約アンペアを確認する
- ブレーカーを見る:分電盤にある、アンペアブレーカー(色分けされたもの)の表示を確認します。
- 検針票・マイページで確認する:契約種別や契約容量が記載されています。
- 電力会社に問い合わせる:不明な場合は、カスタマーセンターで確認できます。
アンペアブレーカーがない地域や契約もあるため、その場合は検針票やマイページでの確認が確実です。
アンペアを下げたときの節約額
東京電力の従量電灯Bを例にすると、次のように基本料金が下がります。
- 40Aから30Aに変更:月311.75円、年間約3,741円の節約
- 30Aから20Aに変更:月311.75円、年間約3,741円の節約
- 40Aから20Aに変更:月623.50円、年間約7,482円の節約
金額は大きくありませんが、契約を変えるだけで、使い方を変えずに固定費を減らせます。
アンペアを下げるときの注意点
- ブレーカーが落ちやすくなる:同時に使う家電が多い時間帯に、契約容量を超えると、ブレーカーが落ちます。
- 生活パターンの確認が必要:朝の身支度や夕食の時間帯など、電気の使用が集中する時間を把握しましょう。
- 手続きや費用は電力会社によって異なる:契約変更の方法、工事の要否、手数料は、電力会社や地域で違います。事前に確認しましょう。
ブレーカーが落ちるようになった場合は、アンペア数を戻すか、同時に使う家電を減らす工夫をします。
電力量料金とあわせた見直しのポイント
基本料金の見直しと、電力量料金の見直しを、あわせて考えるのが効果的です。
- 使用量が少ない家庭:基本料金の割合が大きくなるため、アンペア数の見直しや、基本料金の安いプランが有利になりやすい
- 使用量が多い家庭:電力量単価の影響が大きくなるため、単価の安いプランや、使用量を減らす工夫が重要
- 夜間の使用が多い家庭:時間帯別の料金プランが向く場合もある
また、燃料費調整額の上限の有無も確認しましょう。大手電力会社の規制料金(従量電灯Bなど)は上限がありますが、自由料金プランには上限がない場合があります。燃料価格が高騰すると、請求額に大きく影響します。使い方の見直しは、下記の記事で解説しています。
よくある質問(FAQ)
Q. 電気を使わなかった月も、基本料金はかかりますか?
A. かかります。基本料金は、使用量に関係なく、契約容量に応じて毎月請求されます。ただし、九州電力の従量電灯Bのように、使用量が0kWhの場合に基本料金が半額になる仕組みを持つプランもあります。
Q. 基本料金0円のプランは、必ず安くなりますか?
A. 必ずしも安くなるとは限りません。基本料金が0円でも、電力量単価が高めに設定されていることがあり、使用量の多い家庭では、トータルの請求額が高くなる場合があります。自宅の使用量で試算して比べましょう。
Q. 契約アンペア数は、自分で変更できますか?
A. 電力会社に申し込んで変更します。手続きの方法や、工事が必要か、手数料がかかるかは、電力会社や地域によって異なります。事前に確認しましょう。
Q. アンペアを下げてブレーカーが落ちたら、どうすればいいですか?
A. 同時に使う家電を減らすか、契約アンペアを元に戻すことを検討しましょう。電子レンジやドライヤー、電気ケトルなど、消費電力の大きい家電の同時使用に注意が必要です。
Q. 引っ越したとき、基本料金はどうなりますか?
A. 引っ越し先で、新たに契約アンペア数を決めます。前の家の契約を引き継ぐわけではないため、入居時に、世帯人数や使う家電に合わせて、適切なアンペア数を選びましょう。
まとめ
電気代の基本料金は、使用量に関係なく、契約アンペア数(契約容量)に応じて毎月かかる固定費です。東京電力の従量電灯Bの場合、10Aあたり約311.75円ずつ基本料金が上がり、アンペア数を1段階下げるだけで、年間約3,700円の節約になります。
ただし、アンペアを下げすぎると、ブレーカーが落ちやすくなるため、同時に使う家電の消費電力から、必要なアンペア数を見積もることが大切です。
基本料金0円のプランも、電力量単価が高い場合があるため、基本料金と電力量料金のトータルで、自宅の使用量に合ったプランを選びましょう。
まずは、検針票やマイページで現在の契約内容を確認し、無理のない範囲で見直すことが、電気代の固定費を抑える第一歩です。
