「夏はエアコンを使うから電気代が怖い」「毎年8月の請求額に驚く」猛暑が続く夏は、冷房の使用時間が長くなり、電気代の負担が気になる季節です。
本記事では、総務省統計局「家計調査」や資源エネルギー庁のデータをもとに、夏の電気代の平均、高くなる原因、2026年夏の電気・ガス料金支援(補助金)の内容、無理なく抑える方法を、初心者にもわかりやすく解説します。
夏の電気代の平均は月10,278円

家計調査の2025年のデータによると、夏(7〜9月)の電気代は、総世帯の平均で1か月あたり10,278円です。2023年の調査では8,774円でしたので、夏の電気代は2年で1,500円以上上がっています(期間の取り方が異なるため単純比較はできません)。
ここで意外に思われるのが、冬との比較です。「エアコンを一日中使う夏のほうが高い」と思われがちですが、平均でみると冬の電気代のほうが夏より3割ほど高くなっています。暖房は外気温と設定温度の差が大きく、エアコンの消費電力が増えやすいためです。ただし、夏も冷房で使用量が増える点は変わらず、年間では冬に次いで電気代が高い季節です。
なお、家計調査は請求月ベースの金額で、使用月とは1〜2か月ずれる場合があります。8月の猛暑で使った冷房代は、9月から10月の請求に反映されるケースが多いため、自分の請求額と比べるときは注意しましょう。世帯人数別の年間平均は、下記の記事で解説しています。






夏の電気代が高くなる主な原因

エアコンの使用時間が長い
資源エネルギー庁のデータでは、夏の家庭の電力消費のうち、エアコンが占める割合は34.2%で、家電のなかで最も大きくなっています。次いで冷蔵庫、照明が続きます。エアコンの使い方が、夏の電気代を左右する最大のポイントです。
外気温と設定温度の差が大きい
猛暑日は外気温が高く、室温を設定温度まで下げるために、エアコンが高い出力で稼働します。外気温と設定温度の差が大きいほど、消費電力は増えます。
日射・断熱の問題
西日が入る部屋や、断熱性の低い住宅では、冷気が逃げやすく、同じ設定温度でも消費電力が増えます。窓からの熱の侵入は、冷房の負担になる代表的な要因です。
在宅時間の増加
夏休み期間は、子どもが日中も在宅するため、エアコンやテレビ、冷蔵庫の使用が増えます。家族が多い世帯ほど、この影響が大きくなります。


冷蔵庫の負担増
気温が高いと、冷蔵庫は庫内を冷やすために多くの電力を使います。設定温度を「強」にしたままにしたり、詰め込みすぎたりすると、さらに電気代が上がります。

制度面の値上がり要因
燃料費調整額や再エネ賦課金は、家庭の使い方に関係なく請求額に含まれます。再エネ賦課金は2026年度が1kWhあたり4.18円と、過去最高の水準です。夏に月400kWh使う家庭では、約1,670円の負担になる計算です。仕組みは下記の記事で詳しく解説しています。

夏のエアコンの電気代の目安
資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ」のデータをもとにした試算では、冷房期間(5月下旬〜10月上旬、1日18時間使用)の電気代は、次のとおりです。
| 部屋の広さ | 1日あたりの電気代 | 1か月あたりの電気代 |
|---|---|---|
| 6畳用 | 約47円 | 約1,405円 |
| 10畳用 | 約58円 | 約1,736円 |
ただし、猛暑日が続く時期や、断熱性の低い住宅、古い機種では、この目安より高くなる可能性があります。エアコンの詳しい電気代は下記の記事で解説しています。



2026年夏の電気・ガス料金支援(補助金)

政府は2026年5月26日、夏の電気・都市ガス料金補助を正式に決定しました。対象は、2026年7月〜9月使用分の電気・ガス料金です。
| 使用月 | 電気の補助単価(低圧・一般家庭) |
|---|---|
| 7月 | 1kWhあたり3.5円 |
| 8月 | 1kWhあたり4.5円 |
| 9月 | 1kWhあたり3.5円 |
8月は猛暑で使用量が増えやすいため、補助が最も手厚く設定されています。標準的な家庭では、3か月合計で約5,000円程度の負担軽減が見込まれ、電気とガスの合計、家族の人数、使用量によっては6,000円〜8,000円ほどになる試算もあります。

補助金のポイント
- 申請は不要:契約している電力会社・ガス会社が対象事業者であれば、毎月の請求から自動的に値引きされます。
- 反映時期は契約によって異なる:検針日や請求サイクルによって、何月の請求で反映されるかが変わります。明細で値引きの記載を確認しましょう。
- 補助が終わったあとの請求に注意:補助は期間限定です。補助がなくなると、それまで抑えられていた分の負担が請求額に戻ります。
- 詐欺に注意:補助金を名目に、個人情報や手数料を求められることはありません。不審な連絡には応じないようにしましょう。
補助があっても、猛暑でエアコンの使用量が増えれば、電気代そのものは上がります。補助を前提にせず、使い方の見直しも並行して進めることが大切です。

夏の電気代を無理なく抑える方法

設定温度を見直す
資源エネルギー庁の試算では、外気温度31℃の条件で、冷房の設定温度を27℃から28℃に1℃上げると、消費電力量が約13%減り、年間で約940円の節約になります。冷房時の室温の目安は28℃です。
フィルターを掃除する
エアコンのフィルターを掃除するだけで、年間約990円の節約効果があるとされます。設定温度の調整より効果が大きいケースもあります。設定温度を無理に変える前に、まずは掃除から始めるのがおすすめです。
除湿・サーキュレーターを活用する
湿度が下がると体感温度も下がるため、除湿機能を使うことで、設定温度を下げすぎずに快適に過ごせます。サーキュレーターや扇風機を併用して空気を循環させると、冷気が部屋全体に行き渡り、冷房効率が上がります。
遮光・断熱対策をする
遮光カーテン、断熱シート、すだれなどで日射を遮ると、室温の上昇を抑えられます。特に西日が入る部屋は効果が出やすい対策です。
つけっぱなしとこまめに消すを使い分ける
エアコンは起動直後に最も多くの電力を消費します。数十分〜1時間程度の外出であれば、つけっぱなしのほうが電気代を抑えられる場合があります。逆に、長時間留守にするときは、電源を切るほうが有利です。

冷蔵庫の使い方を見直す
冷蔵室の詰め込みすぎを避け、設定温度を季節に応じて調整しましょう。詰め込み量を半分に減らすだけで、年間約43.84kWhの省エネにつながるとされます。

料金プランや契約を見直す
夏は使用量が増えるため、電力量単価や契約アンペアの影響が大きくなります。自宅の使用量に合ったプランかどうかを確認しましょう。具体的な節約方法は、下記の記事で解説しています。

夏の熱中症対策と電気代のバランス

電気代を気にして冷房を我慢しすぎると、熱中症のリスクが高まります。特に高齢者、乳幼児、ペットのいる家庭では、室温や湿度を確認しながら、無理のない範囲で冷房を使うことが大切です。
就寝中や留守中も、室温が上がりやすい環境では、つけっぱなしにするほうが安全な場合もあります。電気代の節約は、健康と安全を最優先にしたうえで進めましょう。
夏の電気代を確認するには

夏の電気代が高いのか、どこが増えているのかを知るには、まず請求額と使用量を確認することが第一歩です。マイページやアプリ、検針票で使用量(kWh)、燃料費調整額、再エネ賦課金の内訳を見て、前年同月と比べましょう。確認方法は下記の記事で解説しています。

よくある質問(FAQ)

Q. 夏の電気代は、冬より高いですか?
A. 平均では、冬のほうが夏より3割ほど高くなる傾向があります。ただし、猛暑の年や、冷房を長時間使う家庭では、夏の請求額が冬を上回ることもあります。
Q. 夏の電気代が急に高くなった理由は何ですか?
A. 猛暑によるエアコンの使用時間の増加、在宅時間の増加、補助金の終了、燃料費調整額の上昇などが考えられます。前年同月と使用量(kWh)を比べて、使用量が増えたのか、単価が上がったのかを切り分けましょう。
Q. 2026年夏の補助金は、申請が必要ですか?
A. 一般家庭は申請不要です。契約している電力会社が対象事業者であれば、自動的に値引きされます。
Q. エアコンは何度に設定すると電気代が安くなりますか?
A. 冷房時の室温の目安は28℃です。1℃上げるだけで消費電力量が約13%減るとされています。ただし、体調を優先し、無理のない範囲で調整しましょう。
Q. 夏の電気代を一番手軽に減らす方法は?
A. フィルター掃除と、遮光カーテンなどの日射対策は、費用がかからず、すぐに始められます。設定温度の見直しと組み合わせると、効果が高まります。
まとめ

夏(7〜9月)の電気代は、家計調査の2025年平均で月10,278円です。平均では冬より3割ほど低いものの、夏の電力消費の34.2%をエアコンが占めており、使い方次第で請求額が大きく変わります。
2026年夏は、7〜9月使用分に電気・ガス料金支援が実施され、標準的な家庭で3か月合計約5,000円程度の負担軽減が見込まれましたが、補助は期間限定で、補助終了後の請求には注意が必要です。
設定温度の調整、フィルター掃除、除湿・サーキュレーターの活用、遮光・断熱対策、冷蔵庫の見直しを組み合わせ、熱中症対策とのバランスをとりながら、無理なく電気代を抑えましょう。

コメント