一生に一度かもしれない家づくりは、
絶対に失敗したくないですよね。
マイホームの新築・購入で失敗しないためには、
住宅メーカーの営業トークに騙されないだけの
知識を身に付けるしかありません!
このページでは断熱性に優れた光熱費の安い
省エネ住宅に住むために必要な知識について
ご紹介します。
Contents
断熱性が優れいてると何が良いの?
断熱性の低い住宅だと、冬は室温が上がりにくく、
上がっても、すぐに温度が下がってしまうため、
快適に生活したいと思ったら常に暖房を付けていないといけません。
そのため、毎月の光熱費が、どうしても
高くなってしまいます。
しかし、断熱性に優れた住宅は、
暖かいため、暖房をほとんど使わなくても
快適な日々を過ごすことができます。
住宅の断熱性能を調べるために必要な3つの指標
住宅の断熱性を調べるのは、実はとても簡単で
3つの指標(UA値、Q値、C値)の数値について質問するだけでOKです。
客観的な数値で算出されるため、メーカーごとの
断熱性を比較・検討するのも簡単です。
では、3つの指標が何を表しているのかについて
ご説明します。
UA値(外皮平均熱貫流率)とは
UA値の覚え方とイメージは、↑のとおりです。
「UA値(外皮平均熱貫流率)」と聞くと難しそうな名前ですが、
要するに壁・窓の断熱性のことです。
UA値は値が小さければ小さいほど熱が逃げにくく、
冷たい外気も入ってこないため、断熱性能が高くなります。
皆さんがイメージする断熱性=UA値
と考えてもらって問題ありません。
UA値は、国の基準となっているため、
ハウスメーカーに「断熱性は?」と聞くと、
まずUA値を教えてくれます。
平成11年次世代省エネ基準 | 平成25年省エネ基準 | ZEH基準(最新)※2 | |
UA値※1 | 2.7以下 | 0.87以下 | 0.6以下 |
※1地域区分が1~8まであり、地域によっては、
さらに高い水準を求められます。
※2ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは、
「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、
高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を
維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを
導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支が
ゼロとすることを目指した住宅」と定義されています。
では、UA値がどれくらいあれば良いのでしょうか?
「エネルギー基本計画」(2014 年4月閣議決定)において、
「住宅については、2020 年までに標準的な新築住宅で、
2030年までに新築住宅の平均でZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)
の実現を目指す」とする政策目標が設定されています。
そのため、これから家を建てようと考えている人は
ZEH基準(UA値=0.6以下)を参考にしたら良いと思います。
Q値(熱損失係数)とは
Q値の覚え方とイメージは、↑のとおりです。
Q値(熱損失係数)とは、
外壁・天井・床・換気などから逃げる熱の量を指します。
Q値は値が小さければ小さいほど逃げる熱の量が少ない=温かい
と言えます。
現在、断熱性をあらわす国の基準はUA値ですが、
平成11年まではQ値が断熱性をあわらす基準でした。
「Q値は今の基準じゃないなら、断熱性に関係ないのでは?」
と思うかもしれませんが、それは大きな間違いです。
住宅が高断熱・高気密化されたことで、
部屋の空気が換気されにくくなってしまいました。
その結果、住宅部材に含まれた化学物質などが部屋にこもってしまい、
シックハウス症候群が問題になりました。
そこで建築基準法が改正(2003年7月1日施行)され、シックハウス対策の1つとして、
計画的な換気(24時間常時換気)のために換気設備の設置が義務付けられました。
せっかく温めた空気が換気口から出ていったら、
いくら断熱性が高くても意味がないですよね?
そのため、Q値は少し前の基準ですが、
温かい住宅を建てたいのであれば、確認しておきたい
指標です。
では、Q値がどれくらいあれば良いのでしょうか?
Q値の目安は地域によって異なりますし、UA値のように
基準がないので、明確な基準はありませんが、2.0以下が
望ましいと言われています。
C値(相当すき間面積)とは
C値の覚え方とイメージは、↑のとおりです。
C値(相当すき間面積)とは、その名のとおり
家の気密性(すき間の量)を指します。
C値は値が小さければ小さいほど、すき間がない=高気密の家
と言えます。
1つ1つは小さなすき間でも、集めると大きな穴になります。
どれだけ高断熱でも大きな穴が空いていたら意味がないですよね?
そのため、C値も温かい住宅を建てたいのであれば、
確認しておきた指標です。
ただし、上記で紹介したUA値、Q値はどこのメーカーでも
必ず数字を持っていますが、C値に関しては
聞いてもわからない場合があります。
なぜなら正確な数値を算出できないからです。
鉄の特性として、温度によって膨張・収縮します。
そのため、特に鉄骨住宅は、C値を把握できないので
数字を持っていないことが多いです。
逆に言うとC値を持っている住宅メーカーは気密性に
自信があるメーカーだと思って良いと思います。
C値の目安ですが、2.0以下が望ましいと言われています。
例:延床面積が40坪(132m2)の場合、C値が2.0なら
すき間面積は264cm2(はがき約1.8枚相当分)です。
こんな営業トークに注意
UA値、Q値、C値の3つの指標がわかれば
客観的な数字で、住宅の断熱性を比較・検討することが
できます。
それは、間違いないんですが、営業さんも、
そこは承知しているため、上手にかわす術を
持っています。
これらの営業トークが出てきたら気をつけましょう。
次世代省エネ基準を満たしています!
「うちの住宅は次世代省エネ基準を満たしています!」と
言われると、何だかとても良い住宅のように感じます。
しかし、次世代省エネ基準とは平成11年(1999年)の基準です。
「次世代」と付いているので最新の基準と勘違いしてしまいがちですが、
実はかなり古い基準です。
最新の基準はZEH(読み方:ゼッチ)基準です。
今後はZEH基準が標準になるため、「次世代」の言葉に
惑わされないように気をつけましょう。
高気密・高断熱住宅です!
「うちの住宅は高気密・高断熱住宅です!」と
何も知らずに聞くと、ついつい納得してしまいがちです。
しかし、既に説明したとおり、断熱性は3つの指標で
客観的に示すことができます。
断熱性に自信があるメーカーは、
「うちの住宅はUA値は◯、Q値は◯、C値は◯です。」
とハッキリ言います。
自信がないメーカーほど、数字ではなく、
言葉のインパクトで勝負してきます。
うちは窓が大きいので・・・
3つの指標を聞いた結果、あまり良い数値じゃない場合、
「うちは窓が大きいので…」等と言われることがあります。
確かに窓の大きさなどもUA値を算出する上で、
非常に重要な部分です。
しかし、よく考えてみてください。
メーカーが示す数値は断熱性を示す3つの指標が
最も良くなるように建てた場合の数値を言っています。
最高値が、そこまでの住宅であれば、
どう頑張っても、それ以上高い断熱性を
求めることはできません。
むしろ、自分の建てる家は、その数値よりも
悪い数値になってしまいます。
雪国でもないから必要ない
UA値が、あまり良い数値じゃない場合、
「雪国でもないから、そんなに断熱性は必要ない。」と
言われることがあります。
しかし、「UA値とは」でも説明したとおり、
「エネルギー基本計画」(2014 年4月閣議決定)において、
「住宅については、2020 年までに標準的な新築住宅で、
2030年までに新築住宅の平均でZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)
の実現を目指す」とする政策目標が設定されています。
そのため、雪国云々問題ではなく、
今後はZEH基準を満たした住宅にしていかなければいけません。
まとめ
断熱性に優れた光熱費の安い省エネ住宅に住むには
UA値
Q値
C値
について、確認し、比較・検討しましょう。
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