「モジュール」とは設計の基準となる規格寸法のことです。
家の間取りや広さを決めるときに使います。
これだけ聞くと、「何だか難しそう・・・」
と感じるかもしれませんが、要するに
メートル、尺、ヤード、マイル、インチなどと同じ
長さを測る単位のことです。
そして、モジュールには
・メーターモジュール
・尺モジュール
の2種類あります。
このページでは、メーターモジュールの
特徴・メリット・デメリットについて
ご紹介します。
Contents
メーターモジュールとは
メーターモジュールとは、
比較的新しいモジュールで、
1グリッド=1,000mm×1,000mm
を基本単位とする家の造り方です。
家の設計をするときは、
1グリッドを間取りの最小単位とし、
このグリッドを組み合わせて
間取りを作っていきます。
尺モジュールは、1グリッド=910mm×910mmのため、
比べるとメーターモジュールの方が
縦横90mm大きい単位を使っています。
メリット1:収納に強い
最近の家具やタオル等の日用品のほとんどは、
メーターモジュールに合うように作られています。
そのため、尺モジュールだと、寸法が合わず
無駄なスペースが生まれてしまいがちです。
無駄になったスペースの1つ1つは少しですが、
合計すると、けっこうなスペースが無駄になっています。
それに対して、メーターモジュールは、寸法が合うため、
無駄なスペースが生まれにくく、その分を全て収納に
活用できるため、収納に強い家造りをすることができます。
メリット2:広々とした間取り・空間
モジュールとは、柱と柱の中心の距離を指しており、
実際には柱や壁の厚さの分だけ、やや狭くなります。
そして、実際に人が通ったり、物が置ける幅のことを
有効巾・有効幅と言います。
柱の太さや壁の厚さはハウスメーカー・工務店によって違うため、
一概には言えませんが、有効巾はそれぞれ
尺モジュールの場合、1モジュール約780mm、
メーターモジュールの場合、1モジュール約870mm
ほどになります。
有効巾の差が、わずか90mm(9cm)なので、
リビングなど広いスペースだと、全然気になりませんが、
廊下、トイレ、階段など、1モジュールの幅しかない
狭いスペースにおいては、この90mm(9cm)の差が
顕著にあらわれます。
メーターモジュールの場合、
最小単位である1モジュールのスペースでも
狭さ・窮屈さを一切感じないため、
広々とした間取り・空間の家を造ることができます。
メリット3:ユニバーサルデザインに適している
文化・言語・国籍・老若男女・障害・能力などを
問わずに誰でも利用できることを目指して作られた
施設・製品のことをユニバーサルデザインと言います。
ユニバーサルデザインの住宅を作る場合、
様々な要素を検討する必要があるんですが、
・車椅子でも移動に不自由しない幅を確保する
・階段の勾配が緩やかにする
・階段、トイレ、浴槽に手すりをつける
などを実現するには、
やはりある程度のスペースが必要です。
そのため、家族みんなが使いやすい
ユニバーサルデザインの家を造るなら
有効巾の広いメーターモジュールがオススメです。
デメリット1:間取りの自由度は下がる
尺モジュールとメーターモジュールを比較した場合、
メーターモジュールの方が最小単位である
1グリッドのサイズが大きいため、同じ間取りを
造っても、サイズに違いがあらわれます。
例えば↑の図のように、
家の真ん中に庭を造りたいと思った場合、
メーターモジュールだと、270mm余分に敷地が必要になります。
広大な敷地を持っている場合は、
メーターモジュールでも特に問題はありません。
しかし、敷地に限りがある場合は、
メーターモジュールだと収まりきらず、
造りたい間取りができない可能性があります。
デメリット2:採用している大手メーカーが少ない
新規参入企業や低価格メーカーの多くは、
メーターモジュールを採用していますが、
大手ハウスメーカーでメーターモジュールを採用している会社は、
下記のとおり2社だけです。
会社名 | メーターモジュール | 尺モジュール |
住友林業 | ◯ | |
積水ハウス | ◯ | |
セキスイハイム | ◯ | |
大和ハウス | ◯ | |
トヨタホーム | ◯ | |
パナソニックホームズ | ◯ | |
ヘーベルハウス | ◯ | |
ミサワホーム | ◯ | |
三井ホーム | ◯ |
なぜ、大手メーカーの多くが尺モジュールを採用しているのか?
いくつか理由がありますが、
その最大の理由は、メーターモジュールに切り替えることが
できないからです。
切り替えるには、莫大なコストが掛かるだけでなく、
関連会社・取引関係のある企業
全て一斉に切り替える必要があるため、
余程のことがない限り、現在の規格寸法を変えることは、
まずできません。
積水ハウスのように、もともと尺モジュールだった会社が
メーターモジュールに切り替えるのは、かなり稀です。
まとめ
日本人の体格も大きくなり、生活用品もメートル規格のものが
増えてきているため、メーターモジュールを採用した方が
住みやすい家を造ることができます。
ただし、その分、広い敷地を用意する必要があるため、
それだけの予算を用意する必要があります。
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