住宅構造の種類は、主に
・木造住宅
・鉄骨造住宅
の2種類に分類することができます。
このページでは、2種類のうち
木造住宅の特徴・メリット・デメリットについて
詳しくご紹介します。
Contents
木造住宅とは
木造住宅とは、
柱、梁、桁、小屋束、棟木、母屋、垂木、間柱、壁などの
構造体が文字通り木材でつくられている住宅のことです。
世界最古の木造建築「法隆寺」など、
日本では古くから数多くの建物で木材が使われており、
木造住宅は、住宅としても最も一般的で普及性の高い構造形式です。
メリット1:選択肢が多い
ハウスメーカーは大きく分けて
・大手ハウスメーカー
・工務店(中小企業)
・大工さん(個人事業主)
・低価格住宅(ローコスト住宅)メーカー(新興企業)
の4種類の規模の会社(業者)に分けることができます。
上述のとおり、木造住宅は一般的で普及性の高い構造形式のため、
一条工務店や住友林業などの大手ハウスメーカーだけでなく、
その他の工務店、大工、低価格住宅でも取り扱いがあります。
そのため、幅広い選択肢から自分の希望・要望にあう
ハウスメーカーを選ぶことができます。
メリット2:断熱性が高い
例えば、冷凍庫に木と鉄を入れた場合、
どうなるのかを想像してみてください。
どちらの方が、より冷たくなると思いますか?
そうです。
木も確かに冷たくなりますが、
鉄の方が比較にならない程、キンキンに冷たくなります。
その理由は木と鉄を比べると、
圧倒的に鉄の方が熱伝導率が高いからです。
鉄=熱伝導率が高い=断熱性が低い
木=熱伝導率が低い=断熱性が高い
そのため、材質として木の方が鉄よりも断熱性に優れていると言えます。
メリット3:気密性が高い
気密性とは、「家の隙間」のことです。
家の隙間が大きい(=気密性が低い)ほど、
冷房や暖房で調整した空気が外に逃げてしまいますし、
夏は暑く、冬は冷たい外気が室内に入ってきてしまいます。
鉄は、温められれば膨張し、
冷やされれば縮まる特性があります。
そのため、温度によって形状が変わり、
隙間が出来てしまいます(=気密性が低い)。
形状が変わると言う意味では、
生きている木の方が変わりやすいのでは?
と疑問に感じると思います。
確かに木は水の含み方(含水率)によって反ったり曲がったり、
寸法が変わったりします。
しかし、木材として使う場合は、あらかじめ良く乾燥させてから
使うため、寸法変化がほとんどありません(=気密性が高い)。
事実、気密性はC値として表すことができるんですが、
木造住宅のハウスメーカーのほとんどがC値を公表している
のに対して、鉄骨住宅は非公表です。
これらの理由から、木の方が鉄よりも気密性に優れているといえます。
メリット4:耐震性に優れている
地震の揺れは、住宅の重さに比例して、
大きくなるんですが、鉄と比べて、
木材はとても軽い素材のため、同じ大きさの住宅の場合、
木造住宅が最も揺れの影響が少なくて済みます。
また、鉄は、ある程度の力が加わると
突然パキッと折れたり割れたりしてしまいますが、
木材は柔軟性があるため、地震の揺れによる曲げの力を
上手に外に逃がします。
そのため、耐震性にも優れた素材と言えます。
メリット5:価格が安い
木材は軽量で加工しやすく、また工期も短くできるので、
運搬費、加工費、人件費などを抑えることができます。
そのため、同じ規模の大手ハウスメーカーでも
木造住宅をメインに取り扱っている会社の方が
コストが掛からない分、価格が安くなります。
ただし、一つの会社で鉄骨造住宅・木造住宅
どちらも取り扱っている場合は、
話が変わります。
例えば積水ハウスは、どちらも取り扱いがありますが、
鉄骨造がメインのため、木造(シャーウッド)だと
規模の経済が働かない(仕入れコストが下がらない)ため、
木造の方が高くなる場合があります。
また、メリット1で述べたように、木造住宅は
大手ハウスメーカーだけでなく、工務店、大工、低価格住宅でも
取り扱いがあるため、安い価格で家を建てることができます。
メリット6:間取りの自由度が高い
極端な話、どこのメーカーでも、どの材料を使っても
自分の希望する間取りの住宅を建てることは可能です。
ただし、それは「いくらお金を掛けても良い!」と言う
条件ならの話です。
実際には、各家庭で予算があり、その予算の中で
建物、土地、諸経費全てを支出しなければいけません。
そのため、希望の間取りがあっても
予算による制限が、どうしても掛かってしまいます。
その点、木材は軽量で加工もしやすいため、
間取りを変更しても、追加費用・オプション費用の増額が
比較的少ないため、間取りの自由度が高いと言えます。
デメリット1:耐久性が弱い
鉄と比べて木材は耐久性がありません。
耐久性がないからと言って、突然崩れてしまうと言った、
構造上支障をきたすようなことはありません。
ただし、開放感のある間取りにすることができません。
具体的には、窓などの開口部が狭くなったり、
広いリビングを作ろうと思ったら、途中に
柱や天井下がり(タレ壁・垂れ壁)を作る必要があります。
ただし、住友林業は例外です。
住友林業のビッグフレーム構法で建てた木造住宅の場合、
鉄骨造と同等の耐久性があるため、開放感のある
間取りにすることが可能です。
デメリット2:間取りが狭くなる
上記のとおり、鉄と比べて木材は耐久性がありません。
そのため、必要な強度を出そうと思ったら、
木材の方が、どうしても柱や壁の幅が太くなります。
柱や壁の幅が太くなると、その分、室内の方にせり出してくるため、
同じ土地に同じ間取りで家を建てても、木材で建てると、
若干ではありますが、全体的に室内が狭くなってしまいます。
デメリット3:火災保険料が高くなる
建物は丈夫な順に「M構造」「T構造」「H構造」の
3段階の構造級別に分類されます。
当然ですが、頑丈な建物ほど火災保険料が安くなるため、
M構造が最も火災保険料が安く、H構造が最も火災保険料が
高くなります。
そして、木材は燃えやすいため、通常木造住宅は、
火災保険料の高いH構造に分類されてしまいます。
ただし、
・外部からの延焼防止
・各室防火
・他室への延焼遅延
などの措置を講じて省令準耐火構造と
認められれば、鉄骨住宅と同じ火災保険料まで
安くすることができます。
デメリット4:シロアリ被害にあう危険性がある
木造住宅で、最も注意しなければいけないのが、
シロアリ被害です。
シロアリは土台や柱など基礎の部分を食べてしまうので、
シロアリ被害が拡大していくと、最悪の場合、
家が倒壊してしまいます。
しかも、被害にあう部分は、大抵目に見えにくい場所なので、
気がついたときには、大規模な補修が必要な程、
やられている場合がほとんどです。
そのため、5年~10年に1回は、予防のために防蟻処理が必要です。
なお、防蟻処理にかかる費用は業者によって異なりますが、
1回につき大体10万円程度かかります。
まとめ
木造住宅のメリット・デメリットについて
ご紹介しましたが、これらの内容はあくまで
一般的なものです。例外もあります。
例えばデメリットとして火災保険料が高いと記述していますが、
省令準耐火構造の木造住宅であれば火災保険料は高くなりません。
(=デメリットとなりません。)
このように、メーカーの技術力によってデメリットを
克服しているケースが数多くあります。
そのため、ハウスメーカーを決める場合は、
「木造住宅だから必ず○○だ!」
と決めつけることなく、ハウスメーカーが持っている特徴・技術力に
注目して選びましょう。
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